とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

「新型コロナはアンダーコントロール」ってまた言うんだろうか

 予想どおり、東京五輪が1年延期となった。素早い決定で、聖火リレーも延期になったのは良いことだ。IOCが当初言っていた4週間の検討期限はこれでナシとなるのだろうか。決定したのは「延期」ということだけで、スケジュールや新たに発生する負担の分担など、これから検討し決めなければいけないことは多い。新型コロナウイルスの感染拡大で、検討会議を招集するのも容易ではないだろうが、早急に、できれば4週間以内に、様々な事項を決定し、変更契約まで進めてほしい。

 そしてその中には当然、新型コロナウイルスが来年もまだ収束していなかった場合の対応なども書き加えられるべきだろう。その意味で今回の延期決定は、「東京五輪は””とりあえず1年延期でいいじゃないか」で書いたとおり、「とりあえず」のものだというつもりでいた方がよい。

 ところで、延期が決定した直後の談話の中で、安倍首相は「今後、人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証として、完全な形で東京オリンピックパラリンピックを開催する」とコメントした。 オイ、オイ、オイ! ということは、つまり、東京五輪は「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った」後でなければ開催できないということにならないか。

 いや、実に正しい認識だ。まさに私と同じだ、と賛美していいのだろうか。これってどこか、東京五輪招致演説の際のコメント「フクシマについては、私から保証をいたします。状況は、統御されています」、いわゆる「アンダーコントロール」発言に似ている。来年の今頃、安倍首相は再び世界に向かって、「新型コロナウイルス感染症については、私から保証します。状況は、制御されています」って言うんじゃないか。でも、フクシマはともかく、新型コロナウイルスではたとえ安倍首相でも制御は困難だろう。まさか再びWHOに巨額の寄付を出して、「新型コロナウイルス感染症は収束した」と宣言をさせるのだろうか。今から来年が何となく不安だ。

 ところで、オリンピックが延期となって、選手選考をどうするのかと話題になっている。これについては私の意見は簡単。まだ最終選考が終わっていない競技は、来年の開催時期に向けて、選考作業を進めるしかない。選考方法の見直しも必要だろうが、どうせ予定していた大会も開催できない可能性が高いから、全面的に見直すしかない。

 一方で、既に五輪出場選手を決定してしまった競技については、選考から漏れた選手の中で敗者復活戦を行い、その優勝者が出場決定選手と最終出場決定戦を戦うというのはどうだろうか。現チャンピオンへの挑戦マッチ。これを各競技でプレ五輪的に実施すれば盛り上がると思うんだけど。もちろんこれは個人競技に限った話だし、マラソンなどはさすがに難しいと思うけど、レスリングなどは先日、無観客で同様な試合を行い、選手選考を行っていたわけで、それをもう一度、という感じ。とは言っても、これも感染が秋までには収束することが前提だろうから、流動的ではあるんだろうが。

 団体競技については、その時の最強メンバーを監督が選考するしかないと思うが、不安なのがサッカー。現在、IOCFIFAとの駆け引きの中で、五輪出場はU-23とされているが、1年延期に伴ってU-24にするのかどうか。さっそく「東京五輪1年延期でサッカー五輪代表はどうなる?!」という記事が出ていたが、あくまでU-23のままだとすると、中山や板倉、相馬、小川航基、遠藤渓太といった選手が出場できなくなってしまう。幸い、久保や堂安、冨安らは出場可能なので、何とかチームとしては形になるだろうが、影響は大きい。延期はいいとして、やはり早急に決めなければいけないことは非常に多いと言わざるを得ない。