とんま天狗は雲の上

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地域別の出口対策が必要ではないか

 GW、もといSHWが始まった。昨日は外出自粛。今日は在宅勤務。結局1日中、パソコンに向かっている。今、感染が一番深刻なのは東京だろうか。続いて大阪や北海道。私が住む愛知県は一昨日の感染者が5名。昨日は4名と何とか持ちこたえている印象だ。もっともPCR検査の抑制がされているのではないかという危惧がないわけではないが、3月のスポーツジムや病院等でのクラスターの発生以降、クラスターの抑え込みに続いて、市中感染に対してもある程度の危機感を持って取り組んできた結果だと評価したい。

 国による当初の緊急事態宣言発令にあたっては「名古屋飛ばし」ということが言われたが、大村知事が怒ったのは、救急病床の不足という専門家会議のコメントに対して、現地の実態を調査せず、数字比較だけで指摘されたことに対して異議を唱えたもので、その後の感染者の増加に対して、独自の緊急事態宣言発令への動きを見せ、結果的に全国的な金事態宣言の発令となった。東京都などに比べれば早期に外出自粛等を促すことができたことがその後の感染数減少につながっていると思う。もちろん、このまま気を緩めるのは禁物だが、全国的な外出自粛等を呼びかける報道は、愛知県においても大きな効果を挙げていると思われる。

 一方で危惧するのが、東北や山陰などこれまで感染が非常に少なく推移している地域への影響だ。連休前になって感染者が増加を始めた沖縄県が、GW中の来沖(「らいちゅう」と読むのかと思っていたら、玉城知事は「らいおき」と言った。少しびっくり)の自粛を呼びかける会見をしていたが、これら地方の県にとっては、東京等から感染が持ち込まれるのが脅威であって、そこがシャットダウンできれば、感染初期に和歌山県や愛知県で取られたようなクラスター対策をしっかりと行えば、感染は止められるのではないか。

 世界的感染拡大の発信源は中国だが、中国では武漢市や湖北省の都市封鎖が語られるが、その他の地域、例えば内モンゴル自治区雲南省などの地方ではどういう対策が取られたのか、ほとんど紹介されない。テレビで報じられるのは、マンションに閉じ込められた人々の姿だ。同様にイタリアやアメリカでも郊外や田舎に住む人々はいるだろう。イタリアでは当初感染が始まったロンバルディア州から順次都市封鎖が進められたが、こうした封鎖はイタリア全土で行われているのだろうか。アメリカでは3月13日に国家非常事態宣言が出されているが、具体的な内容は各州に委ねられているようだ。

 GW前の感染者数の減少を受けて、5月6日の緊急事態宣言の解除の延長が検討されている。延長不可避という意見が大半で、私もそれは同意するが、一方で出口戦略も語られつつある。2月末の全国一斉休校要請があまりに唐突であり、過疎の小中学校では感染リスク以上に学習機会が奪われたことによる影響の方が大きかったのではないかと思う。同様に、緊急事態宣言の地域拡大も全国一斉に行う必要が本当にあったのかと疑問に思っているが(特別定額給付金を全国一律給付としたためと言われるが、無理に全国一律にする必要はなかったのではないか)、解除の方も全国一律にするのだろうか。

 今もっとも恐れるのは、首都圏等の感染が地方に広がることである。これを抑えるためには、まずは首都圏等からの人の移動を極力抑えることが必要だ。GWもといSHWに入って、新幹線の乗車や飛行機の乗客もかなり少なくなったようだが、SHWが終わった後はどうだろうか。いっそのこと、姫路以東、高崎・宇都宮以南の新幹線の運行を中止したらどうか。こうして都市部から地方への感染拡大を止めた後で、新たな感染が一定期間発生しなかった地域を対象に、順次、緊急事態宣言を解除していったらどうか。そして都市部での感染がほとんど見られなくなった後に、首都圏等からの移動禁止措置を解除する。

 今、最大の危機は東京であり、そこでの感染を封じ込めることが最重要だと思われる。何でも全国一律ではなく、地方それぞれの状況に応じたメリハリを持った対応が必要なのではないか。