デア・クラシカー。お互い6連勝で迎えた首位決戦は勝ち点差わずか4。ホームのドルトムントが勝利すれば、勝ち点差１と首位に肉薄する。が、スタジアムに観客はいない。大声援の有無はやはり勝負に大きく影響したかもしれない。ドルトムントの先発は前節ウォルフスブルク戦と変わらない。サンチョやエムレ・ジャンはベンチで出番を待つ。このゲームから復帰したヴィッツェルもベンチスタートだ。対するバイエルンも左SHにニャブリを先発させた以外は、前節フランクフルト戦と同じ。中1日と中2日。過密日程も気になる。
開始1分、ドルトムントはCFホーランドの落としから左FWブライトがスルーパス。右FWトラガン・アザールが走り込むが、GKノイアーがクリア。しかしこぼれ球をホーランドがGKノイアーの股下を抜くミドルシュートを放つ。ライン上でCBボアテングがクリアした。ドルトムントは4分にも、CHデラネイから左サイドへ大きくフィード。走り込んだ左WBゲレイロの戻しを左FWブラントがミドルシュートを放つ。これはGKノイアーの正面だった。さらに10分、右WBハキミの縦パスに右FWアザールが走り込み、クロスにCFホーランドがシュート。しかしCBボアテングがブロック。序盤はドルトムントが優勢に押し込んでいく。
バイエルンも11分、CHキミッヒがゴール前にクロスを入れると、OHミュラーが走り込むが、合わない。19分、OHミュラーの縦パスから右SHコマンのクロスに、左SHニャブリがシュート。しかし右CBピシュチェクがライン上でブロックする。序盤の攻勢を凌ぐと、その後はバイエルンがパスを回して攻め込み、ドルトムントはカウンターを狙う展開になっていく。24分、CFレバンドフスキの落としから左SHニャブリが右に流すと、右SHコマンがミドルシュート。だがGKビュルキがナイスセーブする。
ドルトムントも30分、CFホーランドが右FWアザールとのワンツーからミドルシュートを放つと、32分にはCFホーランドがドリブルでゴール前まで迫っていく。左SBデービスがクリア。前半はお互い高い集中力で攻め合い、守り合う。質の高いサッカーが展開された。40分、CHゴレツカのミドルシュートはGKビュルキがパンチングでクリアする。さらに攻め込むバイエルン。集中した守りではね返すドルトムント。しかし均衡は思わぬ形で崩れた。43分、PA右角近くでボールを持ったCHキミッヒがループ気味のミドルシュートを放つ。必死に下がるGKビュルキが手に当てたが、はね返せない。そのままゴールに転がり込んだ。キミッヒの見事なシュートでバイエルンが先制点を挙げた。
ドルトムントは後半最初から左FWサンチョとCHエムレ・ジャンを投入。ブラントとデラネイを下げる。4分、CHダフードのミドルシュートはGKノイアーがキャッチ。後半もバイエルンがパスを回して攻めていく。9分、CHゴレツカのミドルシュートはGKビュルキがファインセーブで弾き出した。ドルトムントも13分、CHエムレ・ジャンから左に展開。FWアザールのクロスにCFホーランドがシュート。いったん滑ったCBボアテングが起き上がろうとしつつ背を向ける。その右腕に当たってゴールポスト右に外れる。PKかと思ったが、VARも確認せず、そのまま流された。
その後は互角の展開が続く。26分、ドルトムントは左FWサンチョがドリブルで左サイドを上がり、ゴール前にクロスを入れるが、その直前に足の痛みを訴えていたCFホーランドが届かない。直後、ホーランドに代わって右FWレイナが投入された。トルガン・アザールがトップに上がる。バイエルンも28分、右SHコマンを下げて、ペリシッチを投入。30分、右FWレイナの仕掛けを左SBデービスに倒されて、いい位置でFKのチャンスを得る。しかし、ゲレイロの蹴ったFKはGKノイアーが正面でキャッチした。36分、CHダフードのミドルシュートもGKノイアーがナイスセーブ。結局、40分にCBエルナンデス。さらに42分にはCHハビ・マルティネスを投入したバイエルンがそのまま逃げ切った。1-0。デア・クラシカーはバイエルンの勝利で終わった。
結局、首位決戦も首位のバイエルンが勝利して、勝ち点差はさらに7に開いた。残り6ゲーム。バイエルンの8連覇が濃厚になってきた。それでもいち早く再開して、残りゲームを消化することで、リーグの結果も納得がいくものとなる。ドルトムントにとってはせっかくホームゲームのはずが無観客だったのは痛かったかもしれない。これでブンデスリーガの楽しみは、大迫や鎌田、長谷部らのゲームを観ることになっていく。鎌田は昨日のウォルフスブルク戦で2戦連続のゴールを挙げたようだ。次々節にはブレーメン対フランクフルトの直接対決も組まれている。引き続き、3人の活躍を期待したい。
