とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第9節 名古屋グランパスvs.浦和レッズ

 前節、オルンガの一発で今季初の黒星を喫したグランパス。だが、ミッドウィークのルヴァン杯ではエスパルスに快勝。勝ち点で並ぶレッズ相手にここは勝利が欲しいところ。だが、トリニータ戦で痛めた阿部と米本はこの試合でもまだ戻ってきていない。代わりにトップ下で先発したのはシャビエル。またボランチはシミッチと稲垣で組んだ。他は、ワントップに金崎、右SH前田、左SHにマテウス。相馬はベンチスタート。そしてDF陣もいつものメンバーが並んだ。対するレッズは4-4-2の布陣。杉本とレオナルドの2トップに、左SHには汰木。右SHには武富が先発した。ボランチは青木と柴戸。DFは右SBに橋岡、左SBは山中。CBにはトーマス・デンと鈴木大輔が並び、GKは西川が守る。

 序盤、GK西川から正確で長いフィードが左SH汰木、右SB橋岡に入る。グランパスも押し込まれて、序盤はレッズが攻め込む展開。グランパスの初シュートは7分、OHシャビエルのCKのこぼれを左SHマテウスボレーシュートする。だがそこからゲームの様相は一転した。9分、OHシャビエルが左に流すと、左SB吉田が持ち上がり、中へのパスを受けたCF金崎がゴール前に斜めのクロス。走り込んだ右SH前田がフリーになった。シュートはいったんGK西川がブロックしたが、こぼれ球をもう一度前田が拾って押し込む。ゴール。グランパスが先制点を挙げた。

 しかし、レッズの選手たちが執拗に抗議する。右SH前田の位置がオフサイドではないか。ゴール前に詰めた左SB吉田がGK西川の邪魔をしたのではないか。それで集中力が緩慢になったのか。直後の10分、CF金崎のスルーパスに左SHマテウスが走り込むと、クロスを再び右SH前田がシュート。追加点を挙げた。あっという間の出来事。これでゲームはすっかりグランパス・ペースになる。17分には、左SHマテウスの縦パスを受けたOHシャビエルがタメを作り、落としを左SHマテウスがシュート。CBトーマス・デンがブロックする。そして18分、続くショートCKからOHシャビエルがクロスを入れると、CHシミッチがヘディングシュート。グランパスが早くも3点目を挙げた。

 30分、32分にはFKのチャンスにマテウスが直接ゴールを狙う。ルヴァン杯でも活躍をしたマテウスがこのゲームでも絶好調だ。レッズも32分、CH青木の縦パスを受けたFWレオナルドがカットインからシュートを放つが、ポスト左に外した。その後はようやく立ち直ったレッズが積極的に攻める。しかし38分、CH稲垣の縦パスを受けたOHシャビエルがCB鈴木大輔を背負って反転すると、走り込んだ右SH前田にパス。GKと一対一となった前田が落ち着いて決めて、ゴール。グランパスが4点目。前田は前半でハットトリックを決めた。

 その後はまたグランパス・ペース。45分、左SB山中のミドルシュートがポストを叩くが、こぼれ球を抑えたCB丸山が前にフィード。これをCF金崎が落とし、OHシャビエルがCB鈴木大輔をかわしてドリブルからシュート。グランパス5点目。前半だけで5-0、一方的な展開となった。

 レッズは後半開始からCB鈴木大輔に代えて槙野、右SH武富に代えて武藤、左SH汰木に代えて関根を投入する。しかしグランパスの勢いは変わらない。1分、CF金崎が高い位置でボールを奪うと、CH稲垣が右に展開。右SH前田のクロスは右SB橋岡がブロックするが、こぼれ球を左SHマテウスが拾って左にパス。CF金崎がシュートを放つ。しかし3分、レッズは右SHに入った武藤から大きくサイドチェンジすると、FWレオナルドがシュート。CB丸山がブロックしたが、こぼれ球をそのまま持ち込んで押し込んだ。強い。レッズがようやく1点を返した。

 しかし直後の5分、押し込まれた展開から左SB吉田が抜け出すと、そのままドリブル。OHシャビエルにつないでさらに前に進むと、CF金崎のクロスに再び右SH前田が走り込む。シュート。すぐにグランパスがゴールを取り返した。これで6点目。8分、グランパスはCHシミッチを下げて秋山を投入。秋山はこのままボランチでプレーする。またこの日4点を挙げた前田を下げて、左SH相馬を投入した。マテウスが右SHに回る。

 その後もなかなか攻撃が活性化しないレッズは16分、CH青木に代えて長澤を投入。グランパスもOHシャビエルを下げて、左WBに太田宏介を投入した。布陣は吉田を左CBに下げた3-5-2。中盤は稲垣をアンカーに、右IH秋山、左IH相馬がやや高めにプレスをかけていく。マテウスがFWに上がる。29分には左IH相馬が倒されてこぼれたボールをFWマテウスが拾ってドリブル。GKの股下を抜くシュートを放つが、枠は外した。すると31分、左SB山中の縦パスに左SH関根が走り込み、クロスにFWレオナルドがシュート。レッズが2点目を挙げた。グランパスは37分、FW金崎に代えて山崎。FWマテウスに代えて石田を投入する。その後も攻め手を緩めないグランパスがそのままレッズの反撃を抑えきって、6-2。大量点で勝利した。

 まさかこんな結果になるとは思わなかった。こんな気持ちいいゲームは久しぶりだ。阿部の不在を心配したが、シャビエルとシミッチが入って、中盤が安定した。いや、レッズの中盤が忙しすぎた。両SBが上がり、両SHが積極的に攻めるグランパスを相手に、空いたスペースへの守備がうまくできていなかった。そこをグランパスが再三突いてゴールを重ねたという感じ。さて、次はFC東京が相手。その前にはルヴァン杯フロンターレ戦が待っている。阿部と米本がいない状況では、選手層がやや薄いかもしれないが、秋山や青木などをうまく使い、賢くターンオーバーして連戦を乗り切っていきたい。