とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第24節 ヴィッセル神戸vs.川崎フロンターレ

 水曜日にACLに参戦しているチームの繰り上げゲームが行われた。昨季天皇杯優勝のヴィッセルの対戦相手はフロンターレ。週末、グランパスに今季初の黒星を喫したフロンターレだが、すぐに次のゲームがやってきた。精神的なダメージからどれだけ立ち直れているかが問われるゲーム。一方、ヴィッセルは前節、前々節から先発を10人入れ替えてアッと言わせたが、今節はそこから5人を交代。これが現時点でのベストメンバーではないかと思われるが、過密日程の中、イニエスタのケガで苦しい陣容なのは間違いない。

 ヴィッセルの布陣は4-3-3。ドウグラスをトップに、右WG小川、左WG古橋。快速FWが両翼に控える。中盤はサンペールをアンカーに、右IH山口、左IH安井。DFは右から右SB西、CBダンクレー、CB大崎、左SB酒井。GKには飯倉が戻った。対するフロンターレも同じ4-3-3。小林悠をトップに、右WG家長、左WG旗手。中盤は田中碧をアンカーに、右IH脇坂、左IH大島。DFは右SB山根、左SBには登里が戻り、CBはいつものジェジエウと谷口。GKもチョンソンリョンと変わらない。フロンターレは過密日程の中、グランパス戦よりもこちらのゲームに照準を合わせていたのではないかと思われるような先発メンバーだ。

 序盤、ヴィッセルが積極的に攻めていく。3分には右IH山口のクロスにCFドウグラスがヘディングシュート。守勢に回るフロンターレは濡れたピッチに足を滑らせる選手が多く、またCBジェジエウがGKへのバックパスなどでミスを重ねた点も気になった。ヴィッセルがパスを回して、フロンターレは守備を固める展開が続く。しかし先制したのはフロンターレ。23分、左WG旗手のパスを右IH脇坂がつないで、IH大島から右に流す。右SB山根が中へ戻したところをIH大島が右IH山口をフェイントでかわし、さらに3人いたDFの狭い間を抜くミドルシュートフロンターレが先制点を挙げた。しかしパスをつないで攻めるのはヴィッセル。30分、安井と左右を入れ替えたIH山口からの縦パスに、右SB西が走り込みシュート。ヴィッセルがすぐに同点に追い付いた。

 その後も33分にはCFドウグラスが強烈なミドルシュート。GKセーブに続く右IH安井のCKのクリアを再びCFドウグラスがシュート。さらに34分、右IH安井のCKにCFドウグラスがヘディングシュートを放っていく。ヴィッセルは小川、古橋の両WGが快速を生かしてフロンターレのサイドを狙うと、山根と登里の両SBが思うように上がれず、そこへさらにヴィッセルの両SB西と酒井が上がってサイド攻撃を仕掛けていく。37分にはCHサンペールから左に展開。左SB酒井のクロスから左IH山口がミドルシュートを狙うが、これはうまく当たらない。だが42分、右CBダンクレーがドリブルで持ち上がると、クロスにCFドウグラスがドンピシャのヘディングシュート。前半のうちにヴィッセルが逆転。前半はヴィッセルの1点リードで折り返した。

 するとフロンターレは後半最初から、脇坂を下げて左SHに三苫を投入。家長を右IHに入れて、旗手は右SHへ。グランパス戦の後半と同様、トップ下が厚い4-1-4-1の布陣に変更する。すると3分、さっそく左SH三苫が仕掛けて、戻しのパスをCF小林がシュート。左SB酒井が戻ってブロックし、シュートはバーを叩いた。ヴィッセルも6分、カウンターで左WG古橋が持ち上がると、左に流してCFドウグラスミドルシュート。だがポスト右に外した。

 後半は高い位置からプレスをかけるフロンターレヴィッセルが押し込まれる展開が増えてくる。11分にはこの日精彩を欠いたCBジェジエウに代えて車屋。さらに右SB山根を下げて、守田を投入する。ヴィッセルは12分、右WG小川に代えて若い小田を投入。20分、左IH安井のスルーパスに右WG小田が抜け出し、ゴール前にクロスを入れるが、右SB守田とともに走りこんだCFドウグラスは届かず。フロンターレは22分、CH田中碧を下げて、CFレアンドロ・ダミアンを投入。小林を右SHに広げ、旗手が左IH。大島がアンカーに下がった。一方、ヴィッセルも24分、CFドウグラスに代えて藤本、左IH安井に代えて佐々木を投入する。26分、GK飯倉の縦パスに右WG小田がうまく抜け出しゴールに迫るが、シュートはわずかにポストの右。29分、CHサンペールのスルーパスにCF藤本が抜け出すが、パスには届かない。惜しいチャンスを逃していると、30分、左SB登里のクロスのこぼれを左SH三苫が受けて中へパス。左IH旗手が胸トラップからきれいにボレーシュートを決めて、フロンターレが同点に追い付いた。小田と佐々木が若さを露呈したのに対して、左SB登里の老練さが目立つ。

 その後も攻めるフロンターレに対して守るヴィッセル。だが疲れが目立つ。それでも40分、右SB西のクロスのこぼれから右IH山口がミドルシュート。左に外れる。続く左IH佐々木のCKに右CBダンクレーがボレーシュート。しかしこれは右ポストに弾かれた。その後はフロンターレも疲れた。42分、左IH旗手に代えて下田を投入。ヴィッセルも44分、左WG古橋を下げて初瀬を投入する。アディショナルタイム45+2分、CB大崎からCFレアンドロ・ダミアンがボールを奪い、右SH小林のクロスに右IH家長がヘディングシュート。だがこれはGK飯倉の正面。そしてタイムアップ。お互い全力を出し尽くしたゲームは2-2のドローで終わった。

 前節のグランパスに触発されたが、いやそもそもこのフロンターレ戦に照準を合わせてきたか、ヴィッセルのがんばりが目立つゲームだった。一方、フロンターレも10連勝の後の連敗は避けたい。意地で同点に追い付いた。だがお互い疲労困憊。やはり猛暑の中の連戦は堪える。が、日程を確認すると、ヴィッセルは10月4日の第20節まで、今回のようなACLのための事前消化ゲームやルヴァン杯が組まれ、まだこれから11連戦が続く。というか今まさに15連戦中の4戦目だった。一方のフロンターレも13連戦中の8試合目。それを言ったら他のチームも同じような状況だが、だからこそ5連戦しかないグランパスはチャンスかも。で、改めて日程をよく見ると、ヴィッセルフロンターレは次週ルヴァン杯、その次は第15節と3週続けて水曜日にゲームがあるんだ。すごい日程だな。