レイソル、ベルマーレと連敗。前節はコンサドーレに勝利したものの、なかなか波に乗れないガンバ。一方、グランパスもこのところ勝ったり負けたりが続いている。お互い前節は勝利して、勝てば連勝、負ければ白黒生活が続くことになる。前回の対戦はアディショナルタイムに前線へのフィードから、パトリックの落とし、最後は渡邉千真に同点ゴールを決められ、引き分けた。昨季も確か、アディショナルタイムに宇佐美が同点ゴールを決めて引き分けた試合があったはず。DAZNの放送では、「宮本監督になって未だグランパス相手に勝利がない」と言うが、私にはガンバ戦にあまりいい印象はない。
ガンバの布陣は4-4-2。宇佐美をベンチに置いて、2トップはパトリックとアデミウソン。右SH小野瀬、左SH倉田が左右に開き、ボランチは井手口と山本悠樹が入る。DFは右SBに高尾、左SBは福田。キムヨングォンと昌子のCBにGKは東口。左SB福田が高い位置を取り、CH山本がCBの間に下がってくることも多い。一方、グランパスも4-4-2の布陣でスタートする。金崎と前田の2トップ。SHは右にマテウス、左に相馬。ボランチに米本と稲垣が入り、SBは右にガンバから移籍のオジェソク、左に吉田。CBとGKは変わらない。
前半はお互い攻め合う展開。5分、左SH相馬のクロスから、CH稲垣がミドルシュートを放てば、ガンバもFWパトリックがドリブルで運び、左SH倉田がミドルシュート。10分、CH山本の縦パスをFWアデミウソンが落とし、FWパトリックがシュートすれば、グランパスも11分、右SHマテウスがミドルシュートを狙う。14分にはCH山本の縦パスにFWパトリックが走り込むが、GKランゲラックの飛び出しが早く、パンチングでクリアした。そして21分、ガンバはGK東口がフィードをCH井手口に当てるミスキック。こぼれ球を拾ったFW金崎の落としを右SHマテウスがシュート。DFがブロックしたが、これで得た相馬のCKをCH米本がニアでフリックし、FW金崎がボレーシュート。グランパスがガンバのミスに付け込み、先制点を挙げた。
これでゲームは一気にグランパス・ペースになる。36分には左SB吉田のフィードに右SHマテウスが抜け出し、シュート。GK東口が何とかセーブしたボールは、バーに当たって跳ね返った。しかしこの時間帯に決めきれないのが今のグランパス。43分にはCH米本がアデミウソンと膝をぶつけ、シミッチへの交代を余儀なくされる。アディショナルタイム45＋2分、左SB福田のクロスのこぼれを左SH倉田がつなぎ、FWアデミウソンがシュート。しかしこれはGKランゲラックの正面。前半はグランパスの1点リードで折り返した。
ガンバは後半最初に、高尾を下げて、左SN藤春を入れる。福田が右SB。すると5分、CH井手口の縦パスに走り込んだ右SH小野瀬をCB中谷が倒して、PA手前でFKのチャンス。グランパスはゴール前に5枚の壁、さらにその後ろには相馬や吉田が控えるが、なぜかCH山本の蹴ったFKはシミッチと中谷の間を抜けて、ゴールに飛び込んだ。ガンバが同点に追い付く。試合後、フィッカデンティ監督もすごく怒っていたというが、何とも唖然。あれでは壁を作った意味がないではないか。
すると俄然、ガンバが元気になる。9分、CH井手口のミドルシュートはGKランゲラックがファインセーブ。12分には左SB藤春がミドルシュートを放つ。グランパスも13分、前田と相馬を下げて、OH阿部と右SBシャビエルを投入。マテウスを左に回し、4-2-3-1の布陣。だが、ガンバの勢いは変わらない。15分にはFWアデミウソン、さらにFWパトリックとシュートを放っていく。
グランパスもOH阿部がリンクになって、反撃をするが、17分、CF金崎を山崎に交代。これで再びガンバにペースを引き戻された感じ。20分、FWパトリックの落としから、右SH小野瀬のスルーパスにFWアデミウソンが走り込み、シュート。30分、右SH小野瀬のパスからFWアデミウソンがシュートを放つ。そして31分、ガンバはここで3枚替え。パトリックとアデミウソンの両FWに代えて、宇佐美と渡邉千真、さらにCH山本悠樹を下げて遠藤を投入する。
これですっかりガンバがゲームを支配する。33分にはFW宇佐美がミドルシュート。そして42分、CH沿道のふわっと浮かしたスルーパスに右SH小野瀬が走り込み、落としをFW宇佐美がミドルシュート。ついにガンバが勝ち越した。その後はグランパスの選手にめっきり疲れが見える。ガンバがパスを回して時間を使い、そのまま逃げ切った。2-1、ガンバの逆転勝利だ。
後半の30分過ぎという相手に疲れが見える時間帯に、宇佐美や渡邉千真を投入して、勝負をかけた宮本監督。それに対して、グランパスは後半13分という早い時間の選手交代が功を奏しなかった。阿部やシャビエルが悪いわけではないが、単に選手に疲れが見えるから代えるというだけで、勝負手としての意図が見えてこない。グランパスの健闘もここまでか。後は何とか一桁順位をキープできるようにがんばっていくしかないかも。もちろんガンバも同じようなものだが、宮本監督の勝負師としての采配が見られたのは面白かった。この人、クラブの監督をしているよりも、代表監督の方が結果を出すかもしれない。そんな期待も感じたゲームだった。
