とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第29節 ヴィッセル神戸vs.名古屋グランパス

 ほんの10日前に対戦したばかり。この時は敗戦したヴィッセルだったが、その後は連勝している。一方、グランパスは負けて、勝って。前節はエスパルス相手に勝利したものの、アウェイでは連敗。今度は負ける順番? そろそろ白黒が続く状況から脱したい。

 ヴィッセルは4-3-3の布陣。ドウグラスをトップに、右FWに郷家、左FWは古橋。中盤はサンペールをアンカーに、右IH山口、左IHにイニエスタ。右SB西、左SB酒井は変わらず、CBは大崎とダンクレーで組む。GKも前回と同じく前川が守る。対するグランパスは4-4-2でスタートした。2トップは金崎と前田。右SHにマテウスが入り、阿部が左SHで先発した。ボランチは稲垣と米本。そして今季初めて、宮原が右SBで先発した。左SBは吉田。CBとGKは変わらない。

 序盤からヴィッセルがパスを回して攻めていく。11分、イニエスタが右サイドからクロス。左FW古橋が落として、CFドウグラスボレーシュート。だが、DFがブロックする。12分、右IH山口のパスから左IHイニエスタがスルーパス。右FW郷家のシュートは左サイドに外した。さらに13分、IHイニエスタから長い縦パスが送られると、走り込んだCFドウグラスがダイレクト・ボレー。これはバーに当たる。イニエスタを中心に攻め続けるヴィッセルグランパスはこの時間あたりから、阿部と前田の位置を入れ替え、阿部がOHに入る4-2-3-1。

 すると16分、OH阿部のクロスに左SH前田がゴール前に走り込み、バックヘッドを狙うが、うまく触れない。GK前川がキャッチした。その後も攻めるヴィッセルに対して、守るグランパス。だが、グランパスの守備はしっかりしている。特にイニエスタにはCH稲垣が徹底マークする。34分には左IHイニエスタのドリブルをCH稲垣が執拗にマーク。それでもそのまま前に進んだイニエスタから左FW古橋にパス。さらに中へ入れたパスをCFドウグラスが落とすと、左IHイニエスタがシュート。CB丸山がブロック。こぼれ球を右FW郷家がシュートするが、GKランゲラックが正面でキャッチした。前半はこのまま折り返す。

 ヴィッセルは後半最初に、CB大崎を下げて、菊池を投入した。前半はしばしばCHサンペールがフリーとなって、そこから攻撃を仕掛けていったが、後半はOH阿部がサンペールをしっかりマークする。5分、左IHイニエスタの縦パスを受けたCFドウグラスが反転してシュート。だがポストの右に外す。9分、グランパスは左SH前田を下げて、相馬を投入する。すると10分、右SHマテウスの縦パスに走り込んだCF金崎が戻して、マテウスが中へつなぎ、CH稲垣が右に流して、OH阿部がシュート。だが左SB酒井がブロックする。さすが酒井高徳

 11分、右IH山口がミドルシュートを放つと、グランパスも13分、マテウスが直接FKでゴールを狙う。そして15分、CHサンペールの縦パスを左FW古橋が中へ入れると、CFドウグラスの落としを左IHイニエスタが縦パス。右FW郷家の落としは少しバウンドしたが、それをイニエスタはダイレクトでミドルシュート。これがグランパスのネットに突き刺さる。お見事。あっぱれな連携と、最後はイニエスタの技ありシュートでヴィッセルが先制点を挙げた。

 追い付きたいグランパスは24分、CF金崎に代えて山崎。さらにCH米本に代えてシャビエルを投入する。布陣は稲垣をアンカーに置いた4-3-3か。相馬が右SHに開き、阿部は左サイド。マテウスが左IHに入り、シャビエルは上がり目の右IH。だが、守りを固めるヴィッセルの守備をなかなか崩せない。逆に38分には左IHイニエスタのふわっとした縦パスがPA手前に入る。CB中谷が何とかヘディングで返したが、これをCFドウグラスが拾い、縦に送って、左FW古橋がシュート。CB中谷がブロックした。

 その直後、グランパスはSB吉田を下げて、右SBにオジェソクを投入。宮原を左SBに回す。ヴィッセルはCFドウグラスに代えて藤本を投入。さらに41分には左FW古橋に代えて、小田を投入した。その後も攻めるグランパス。だが、ヴィッセルの守りを崩せない。そのまま時間が過ぎ、そしてタイムアップ。1-0。ヴィッセルが勝利して、10日前の雪辱を果たした。

 それにしても楽しいゲームだった。中でも、イニエスタが素晴らしい。先制ゴールも見事だったが、それ以外にも再三、イニエスタから決定的なスルーパスが出された。一方、これに対応し、集中して守ったグランパスの守備も見応えがあった。イニエスタのゴールは仕方ないが、それ以外はよく守ったし、攻撃も少ないチャンスながら、果敢に攻め込んだ。後半10分の左SB酒井の守備は敵ながらあっぱれ。負けたのは残念だが、楽しいゲームを堪能した。負けても満足のいくゲームだった。もっとも次もアウェイのレッズ戦。今度こそ勝利して、いい加減、オセロの呪縛から逃れたい。