とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合(女子) 日本vs.パナマ

 なでしこの強化試合2試合目の相手はパナマ。先のパラグアイFIFAランクが47位だったが、パナマはそれを下回る59位。こうしたゲームになることは戦前から予想できた。そうした中、高倉監督はどういうメンバーを先発させるかと興味を持ったが、何と前線の二人は菅澤と岩渕のまま代えなかった。パラグアイ戦で田中美南と濱田の連携がイマイチだったので他の選手との連携の成熟を見るかと思ったが、「この二人で決定だよ」というメッセージか。田中美南の心中が案じられる。

 日本の布陣は4-2-3-1。菅澤をトップに、岩渕がトップ下。左SHに長谷川唯が先発したが、岩渕とは頻繁にポジションチェンジを繰り返した。右SHには籾木。ボランチは中島と林で組む。DFは右SB清水、左SB北村。CBは宝田と代表初先発の高橋はな。GKは山下。対するパナマは4-4-2の布陣。セデーニョとコックスの2トップに、右SHバティスタ、左SHにミルズ。ボランチはキンテーロとゲバラ。DFは右SBカスティージョ、左SBバルガス。ピンソンとジャエンのCBにGKはベイリー。若いGKだ。

 序盤から日本が攻める。6分、右SH籾木のミドルシュートがバーを叩くと、はね返りをOH岩渕がシュート。これはゴール上に外したが、続く8分、OH岩渕が左サイドから仕掛けて、DFを抜いてシュート。GKベイリーが弾いたボールがDFに当たってCF菅澤の元へこぼれると、難なく押し込んだ。日本が早い時間に先制すると、16分にはCH林の縦パスを受けたCF菅澤が右に流して、右SB清水がシュート。DFに当たってコースが変わり、ゴールに飛び込んだ。日本が追加点を挙げる。

 25分にはCF菅澤の縦パスからOH岩渕がシュート。さらに26分、CB高橋の縦パスをCF菅澤が落とし、左SH長谷川がシュート。いずれもDFがブロックしたが、32分、左SB北村のパスをCH林が落とし、左サイド深い位置からOH岩渕がゴール前にクロスを入れると、CF菅澤の上を超えたシュートをGKベイリーがブロック。こぼれ球に走り寄った左SH長谷川がきれいなループシュートを決めて、日本が3点目を挙げた。

 36分にはOH岩渕のクロスにCF菅澤がヘディングシュート。37分にもCH中島のクロスにCF菅澤がヘディングシュートを放つが、いずれも枠を捉えられない。41分、右SH籾木のCKにCB高橋がヘディングシュートするも、GKベイリーがファインセーブ。バーに当たる。そして42分、CB高橋の縦パスを左SH長谷川がうまく反転してDFをかわすと、縦パスをOH岩渕がつなぎ、CF菅澤がシュート。日本、4点目。さらに45分、左SH長谷川のドリブルから左に展開。OH岩渕がミドルシュートもポストを叩く。右SH籾木が詰めてシュート。前半だけで日本が5点をリードして、折り返した。

 後半最初、パナマはCHキンテーロとバティスタに代えて、S.ゴンザレスとCBデレオンを投入する。ミルズをトップに上げて、セデーニョが右SH。5-4-1の布陣にして、中盤とDFを厚くする。8分には右SHセデーニョがこの試合での初シュートを放つ。その後も日本が圧倒的に攻める展開は変わらない。そして11分、左SH長谷川のスルーパスに走り込んだOH岩渕のクロスをCF菅澤がヘディングシュート。きれいに決まり、日本が6点目を挙げる。14分にはCH林の縦パスをOH岩渕が落とし、左SH長谷川がミドルシュート。わずかに右に外したが、林も含め、よく連動している。

 この直後、岩渕と菅澤、籾木を下げて、CF木下、左SH杉田、左SBに宮川を投入。北村を右SHに上げ、長谷川をトップ下に移す。すると16分、左SH杉田が積極的にミドルシュート。これが直接ゴールに飛び込み、日本が7点目を挙げた。パナマも17分、右SHセデーニョの戻しからCFミルズがシュート。右に外したが、この二人がパナマのサッカーを支えている。20分にはミルズとCHゲバラを下げて、CFにエルナンデス、左SHにポンを投入。コックスがCHに入る。

 21分、CF木下の落としからCH林がミドルシュート。25分にはCB高橋を下げて、三宅を投入する。高橋は初先発ながら、落ち着いて、縦パスをよく通していた。直後の25分にはOH長谷川がミドルシュート。GKベイリーがナイスキャッチする。32分、CF木下のミドルシュートもGKベイリーがナイスセーブ。すると34分、日本はCH林と右SH北村を下げて、田中と濱田を投入。浜田がCFに入り、田中が右SH。木下をトップ下に置き、長谷川はボランチに下がる。

 44分、CH中島のFKに右SH田中がヘディングシュート。45分、CH長谷川の仕掛けから、戻しのパスをCF濱田がシュート。しかしDFがブロック。45+5分、中島のCKにCF濱田がヘディングシュートするも、枠には入らず。45+6分、CH長谷川のミドルシュートもバーの上。そしてタイムアップ。7-0。日本が大勝して、強化試合2試合を終えた。

 2戦合わせて14-0という結果だが、結果にはあまり意味はない。結局、濱田と田中にはゴールは生まれなかった。FWは菅澤と岩渕で決まり、田中と濱田には途中出場でどれだけ結果が出せるかというテストだったのかもしれないが、少し可哀想な感じがした。将来を見越して、若い年代を積極的に起用し経験を積ませるというのが、高倉監督就任以来の方針のようだが、その中で冷遇される中堅の選手たちをどう考えればいいのか。一方で鮫島や中島は重用。内部のことはわからないが、集団の中での振る舞いや役割分担を見ているということだろうか。CBに起用された宝田や高橋が代表に遜色ないプレーを見せたことは収穫だったが、若手の経験という点でも物足りない相手。できればこの時期、欧米の強国とのゲームを経験したかった。