とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

東京五輪準々決勝 日本vs.ニュージーランド

 サッカー男子準々決勝の相手はニュージーランド。「えっ、ニュージーランドって、オリンピックに出てたの? アジア予選?」と思ったが、オセアニア予選を勝ち上がっていた。そうか、それならオリンピックには毎回出られるだろう。調べてみると、そうでもない。前回リオ五輪では出場資格のない選手が出場したとして、予選で失格となり、フィジーが出場しているし、過去には大陸間プレーオフで敗退したこともある。でももちろん出場した大会はいずれもグループリーグで敗退。今回も初戦で監督に1-0で勝った他は、ホンジュラスに敗戦、ルーマニアに引き分け。けっして強豪チームではない。日本にとっては準決勝で当たるであろうスペイン戦が山場。ここはメンバーを落として、楽勝で準決勝進出を果たしたい。と思っていた。

 日本の布陣は4-2-3-1。林大地をトップに、久保がトップ。右SH堂安、左SH相馬。ボランチは田中碧と遠藤。右SBに出場停止の酒井に代わって橋岡が先発。左SBは旗手。吉田と冨安がCBに並び、GKは谷。ほとんどベストメンバーではないか。久保や堂安を休ませる考えはなかったのか。一方のニュージーランドは3-5-2。ウッドとウェインの2トップに、中盤はベルをアンカーに、右IHルイス、左IHガーベット。DFは右WBにエリオット、左WBカカチェが開き、CBは右からステンズネス、リード、パイネカー。GKはウド。韓国をスコアレスに抑え込んだCBリードが復帰した。

 開始2分、左SB旗手がミドルシュート。だが日本も序盤は様子見な感じ。ニュージーランドも守備を固めて、カウンターを狙う。10分、CH遠藤がドリブルで持ち上がり、右SH堂安がミドルシュート。これで得たショートCKからOH久保の縦パスにCF林が抜け出し、クロスにCH遠藤が詰めて、シュート。先制点かと思ったが、シュートは枠を外した。少し嫌な感じ。17分には左SB旗手の横パスを左IHガーベットに奪われ、縦パスをFWウッドが落として、ガーベットがシュート。だがこちらは大きく枠を外す。

 日本はパスを回すものの、ニュージーランドのプレスが早く、攻めあぐねる。31分、左SH相馬がドリブルで中へ進み、久保のクロスから堂安がシュート。だがポスト右に外す。34分、左SH相馬の戻しからCH田中が縦パス。相馬が抜け出して、クロスに右SH堂安がシュート。だがこれも枠を捉えられない。ニュージーランドも35分、右IHルイスから右に展開。FWウェインのクロスにFWウッドがシュート。しかし外してくれた。前半はこのままスコアレスで折り返す。

 後半も日本が攻めていく。開始1分、右SH堂安の仕掛けからDFを抜いてシュート。だがシュートはブロックされる。ニュージーランドも次第に疲れてきたか、ラフなファールが多くなってきた。しかしそれを打開できない日本。ニュージーランドは6分、CBリードが左足の不調を訴え、OHマコワットに交代。これを機に、布陣を中盤ダイヤモンドの4-1-3-2に変更。SHルイスとガーベットの左右を入れ替える。すると日本がうまく対応できず、守備に回る機会が多くなってくる。こうした状況を打開するため、24分、林と相馬を下げて、CF上田と左SB中山を投入。旗手を左SHに上げた。

 25分、OH久保がドリブルから久しぶりのミドルシュートを放つ。ニュージーランドも26分、OHマコワットがミドルシュート。日本は28分、CH田中碧のミドルシュートがわずかにバーの上を越える。29分、OH久保のシュートはGKウドの正面。31分、右SB橋岡の突破からクロスに左SH旗手が飛び込むが、ヘディングシュートはわずかにバーの上を越えた。

 34分、ニュージーランドはガーベットとエリオットを下げて、右SHジャスト、右SBインガム。37分、右SH堂安が右サイドを突破してクロスに、CF上田が抜け出してシュート。GKと一対一だったが、GKウドがファインセーブ。ゴールが遠い。ニュージーランドは40分、FWウェインを下げてチャンプネスを投入。その直後、DFからのフィードをCF上田が落とし、右SH堂安がドリブルからミドルシュート。しかしこれもGKウドのファインセーブに弾き返される。結局90分経ってもスコアレス。勝負は延長戦に持ち越された。

 延長の始まりの時点で、日本は左SH旗手に代わり、三苫。CH田中に代えて、板倉を投入する。5分、左SH三苫のスルーパスにCF上田が抜けてシュート。GKウドがセーブ。7分、CKからCH板倉がヘディングシュートするも、枠は捉えられない。11分、カウンターで右SH堂安がドリブル。右に流し、OH久保がシュートするも、GKウドにナイスセーブに阻まれる。12分、右SH堂安のミドルシュートはわずかにバーの上。

 延長後半頭には、右SH堂安を下げて、三好を投入する。12分、OHマコワットの突破をCH遠藤が倒してFKを与えると、ルイスのFKは壁に当たるが、こぼれ球を右SHジャストがボレーシュート。CB吉田がブロックした。6分、右SH三好のFKにCB富安のヘディングシュートはポストの右。10分、OH久保が右サイドからカットインしてミドルシュートを放つも、ポストの左。結局、30分間の延長戦もゴールなし。ついにPK戦で決着をつけることになった。

 PK戦は先行のニュージーランドがトップバッターのウッドは入れたものの、続くカカチェ、ルイスと続けて失敗。一方、上田、板倉、中山と途中出場の選手が蹴った日本は3人続けて成功する。4人目、ニュージーランドはマコワットがゴールを決めるも、日本の4人目はキャプテンCB吉田。これを確実に決めて、日本が準決勝進出を決めた。長い一戦だった。殊勲はGK谷。長身を生かし、ハイボールを確実にキャッチするのは頼りになる。シュートへの反応も良く、この五輪で確実に評価を挙げた選手の一人だ。

 準決勝は先月の強化試合でも対戦したスペインが相手。その時は1-1のドローだったが、強いプレスと攻撃力に驚いた。だがその経験が日本をまた強くした。今度こそ勝利して、初の決勝進出を決めたい。残念ながらCB富安がこのゲームでイエローカードをもらい、出場停止になってしまった。しかし板倉も調子がいい。たぶん守備はそれなりにやってくれるだろう。一方、120分戦った久保や堂安、林らの疲労も心配。代わって、三好や上田が活躍してくれるだろうか。ここまでほとんど貢献できていない三苫の爆発にも期待したい。勝負は火曜日だ。