勝てば悲願の決勝進出。相手は先月の強化試合で引き分けたスペイン。あの時は堂安のゴールで先制するも、後半プアドのゴールで追いつかれた。何よりその強さに驚いた。その後スペインはグループCで1勝2分。準々決勝もコートジボワール相手に延長戦の末、勝ち上がっている。ひょっとして調子を落としているのか。決勝進出も夢ではないのか。絶対に勝つ抜けると信じて戦おう。
日本の布陣はいつもの14-2-3-1。このゲームでも林大地をトップに起用してきた。左SHは旗手。久保と堂安はいつものとおり。ボランチは田中碧と遠藤。ここも大会を通じて、固定された。右SBに酒井が復帰して、左SBは中山。冨安が出場停止で、代わって板倉が吉田と組む。GKは谷。対するスペインは強化試合と同じ4-3-3。ラファ・ミルをトップに、右WGにオヤルサバル、左WGにダニ・オルモ。中盤はスビメンディをアンカーに、右IHメリーノ、左IHにペドロが先発した。DFは右SBアウカル・ヒル、左SBククレジャ。CBはパウ・トーレスとエリック・ガルシアで組み、GKはウナイ・シモン。所々、先のゲームから先発を入れ替えたが、強力メンバーであることは変わりない。アセンシオやデバージョスはベンチからスタートする。
序盤からスペインがパスを回して攻める。6分、左SBククレジャのクロスがCB板倉に当たってファーに流れると、右IHメリーノがヘディングシュート。11分、CBパウ・トーレスの縦パスを受けた左WGダニ・オルモがシュート。CB吉田が対応する。日本はもっぱら守備に回る。18分、右WGオヤルサバルのパスがCH田中に当たってコースが変わり、CFラファ・ミルがシュート。しかしこれもCB吉田がナイスブロック。30分には右IHメリーノが仕掛けて日本の中盤を突破。左に流して、SBククレジャのクロスにCFラファ・ミルがヘディングシュート。だがDFがよく競って、枠には入れさせない。さらに押し込むスペイン。31分、左IHペドリのパスを右SBオスカル・ヒルが落とし、右WGオヤルサバルがシュートを放つが、これも枠を大きく外す。
すると34分、左SB中山のフィードにOH久保が走り込み、カットインからミドルシュートを放つ。DFにブロックされるが、日本がようやく初シュートを放った。その後はしばらく日本のペース。35分には左SH旗手からサイドを上がってきた左SB中山にパス。中山のクロスにCH遠藤が走り込むが、シュートはポスト左に外した。スペインも39分、流れるような攻撃を見せる。CBパウ・トーレスの縦パスを右IHメリーノがダイレクトでスルーパス。CFラファ・ミルが抜け出し、GKと一対一。だがシュートはGK谷がファインセーブする。ビッグセーブだ。日本も43分、CH田中碧のパスをOH久保がつなぎ、右SH堂安がドリブル。交錯してOH久保の仕掛けからクロスに左SH旗手がシュート。だがDFにブロックされる。前半はスコアレス。スペインに圧されてはいるが、決して勝機がない訳ではない。
後半頭、スペインは右SBオスカル・ヒルに代えてバジェホを投入する。後半序盤、日本が積極的に攻める。開始1分、CH遠藤の縦パスに走り込んだ右SB酒井のパスから、右SH堂安がシュート。7分にはCB吉田のフィードに抜け出した左SH旗手が落とし、CF林がミドルシュート。だがわずかにゴール右上に外れた。スペインも11分、左SBククレジャのクロスに右IHメリーノがトラップで持ち出し、抜け出す。CB吉田がすぐに戻り、スライディング。メリーノが倒れ、主審はPKを宣告。だが念のためVARで確認すると、先にボールに触ったのは吉田。その足をメリーノが蹴っている。結局、PKは取り消しになった。ナイス吉田。
スペインは15分、メリーノとダニ・オルモに代えて、右IHソレールと左WGプアドを投入する。日本も20分、林と旗手を下げて、CF上田と左SH相馬。24分、左SH相馬がパスの出し所を探すと右WGオヤルサバルに詰められ奪われる。右IHソレールがドリブルで運ぶが、CB吉田が対応し、事なきを得た。25分には左IHペドリの縦パスを左WGプアドが右に運び、シュート。サイドネットに外す。さらに31分、左IHペドリのパスがCH田中に当たり、CFラファ・ミルに渡る。しかしシュートはGK谷がファインセーブした。日本も33分、OH久保がシュート。36分にはOH久保のパスから左SH相馬がシュート性のクロスを入れるも、GKウナイ・シモンがセーブする。
38分、スペインはペドリを下げて、アセンシオを投入。右WGにポジションを取り、オヤルサバルが左IHに移った。42分、右IHソレールのCKをGK谷がパンチングで弾くと、CHスビメンディがシュート。CB板倉がナイスブロック。はね返りを右WGアセンシオが収めて、落としを左IHオヤルサバルがシュート。これもGK谷がセーブする。43分には右WGアセンシオのスローインからCFラファ・ミルがシュート。GK谷がファインセーブ。その後も左IHオヤルサバルのシュート、45+2分、右WHアセンシオがシュートとスペインが攻めるが、日本がゴールを死守。そのまま90分が終了。勝負は延長戦に移った。
延長戦初めに日本は堂安と久保を下げて、右SH前田、トップ下に三好を入れる。延長前半はスペインが攻めるも、日本がよく守り、決定機を作らせない。7分にはCHスビメンディを下げてモンカヨラを投入。そして12分、CF上田が中盤でよく粘ってボールをキープすると、左SH相馬から左へ流し、左SB中山がクロス。右SH前田がヘディングシュートするも、枠を捉えられない。スペインも15+1分、左SBククレジャのクロスにCFラファ・ミルがヘディングシュート。GK谷がキャッチした。
ここまで来たら、最後まで守り切って、PK戦で勝ち上がろう。6分、左SH相馬が右SBバジョホに倒されFKを得ると、三好のFKをDFがクリア。ファーでSB中山が拾い、シュートを放つもDFがブロックする。するとスペインが最後の攻勢をかけてくる。必死に守る日本。しかし延長後半10分、延長前半終盤からアセンシオとポジションを入れ替え、右WGに入っていたオヤルサバルがスローインから仕掛けて中へパスを入れると、左WGアセンシオが受けて、ミドルシュート。これがゴール左隅に決まってしまう。ゴール。詰めが甘かったか! 痛恨の失点。その後、日本はCH田中に代えてCB橋岡を投入。吉田をFWに上げて、パワープレーをかける。スペインも左SBククレジャに代えてミランダ。日本はGK谷も上げてゴールを狙うが、スペインの守りは堅い。結局そのままタイムアップ。1-0。日本が敗戦。決勝進出はならなかった。
やはりスペインは強かった。このままスコアレスで終わったとしても、判定競技ならスペインが優勢。敗戦も受け入れるしかない。次はメキシコとの3位決定戦。グループリーグでは勝利したが、終盤は守勢に回って、かろうじて逃げ切った。今度は幸運なPKもないだろう。しっかりと実力を出して勝ってほしい。気落ちしている暇はない。53年前の銅メダルもメキシコ相手に勝利したもの。再びメキシコに勝利して、銅メダルを掲げてほしい。期待している。釜本を超えろ!