とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

大学講義を経験して感じたこと

 先日、最後の定期試験を終え、前期の大学講義が終了した。「最低最悪のスタート」で始まった大学での初講義。途中急遽、遠隔授業になるなどいろいろなことがあったが、対面授業再開後は何とか全15回の講義を終え、今週、最後の定期試験を実施。あとは採点をして、成績を入力するのみだ。無事終わって良かった。

 前期の経験を踏まえ、後期の講義内容も多少手直しするつもり。試験の採点も少し始めたが、その記述内容を見ても、講義内容に対する反省点が見える。もう少しわかりやすく説明すべきだった。資料も不十分だったかも。レポート課題や試験を通じ、学生の反応が見えるのはとても参考になる。先日は、大学の担当教授から「来年度も講義が可能か」という打診があった。「喜んで受けさせてもらう」と返事をした。新しい経験はストレスも多いが、楽しいことも多い。試行錯誤しつつ、しばらくはこの経験を楽しむことができそうだ。

 まず、講義内容について言えば、最初の3回は明らかに準備不足。学生の前に立って、次の言葉が出てこない。高校生の頃、先生が教科書とは別に、赤字で補足した「あんちょこ」を持っていたが、やはりこうした資料は必要だ。3回目の講義で大反省をした後、GWに入り、しかもその後、遠隔授業に変わった。それがよかった。しっかり準備をし、それを自宅でパソコンに向かって講義をすることで、無駄に上がることなく、準備した内容を予定した時間配分でこなすことができた。遠隔授業ゆえの失敗もあったが、何とかリカバリー。対面授業復活後は、学生アンケートのために講義時間を短縮してほしいという要請があった講義回がややバタバタしたが、他は予定どおり終えることができた。

 講義中、60人を超える学生が静かに聴講していたことは、実は少し驚き。でもありがたい。ただ、人数が多すぎて、名前と顔が一致しないし、反応もよくわからない。数人から「病気などで欠席する」旨のメールが届いたので、なるべく親密な感じで返事を書いたが、それ以上の反応はない。唯一、「インターンシップのため欠席したい」というメールに対してインターンシップ先を聞いたら、答えてくれた。ちゃんと専攻科と関係する会社で、就職についてもしっかり考えていることがわかった。がんばってくれ。

 講義後、退出が遅かった学生に定期試験のやり方(問題用紙の配り方や当日の配席など)を聞いたら、それなりに答えてくれた。「どんな内容の試験なんですか」と聞かれたので、その時は「まだ考えていない」と答えた。実際そうだったし。それで、最終講義の際に、試験問題について話したら、講義終了後、「聞こえませんでした。もう一度、教えてください」と数人が教壇に押し寄せてきた。そんな。二度目は適当に答えたが、試験に対してはみんな思った以上に必死だ。教科書や配布資料などの持ち込みは可としたが、それを伝えたら「過去の配布資料をください」と言ってくる学生が多数いた。講義で配布した資料は、講義終了後、授業連絡用の掲示板に掲載しているのに、あまり見ていないみたいだ。後期は、最初の講義で掲示板を確認するよう、しっかり伝えなくては。

 それにしても、試験に対してあれほど必死になるのは意外だった。ある程度出席をしていれば、多少試験結果が悪くても、それで失格にすることまでは考えていなかったのに、少しでも良い成績が欲しいのか、それとも単位を落とすことを恐れているのか。そもそも私の講義内容は、その学科を卒業した学生なら知っていて当たり前という内容ではない。40年近くに渡る実務経験を踏まえ、私自身、勉強をしながら、講義内容を整理した。その内容を話した友人が「そんな講義をしている大学って他にないんじゃないですか」と言われたが、それはけっして批判ではなく、大学の講義であっておかしくない内容にしているつもりだ。そもそも前任の講師からは「自由に講義していいですよ」と言われたし、前年までの講義内容を踏まえ、それを私なりにアレンジし、内容的には数倍ふくらんだ内容となっているはず。

 私としては、こうした講義内容を真剣に聞いてもらうだけでうれしいし、聴いた学生が何らか感じ、考える契機となればさらにうれしい。私の考えを述べるよりは、多くの知識を伝えることの方が多いが、それが目的ではなく、多くの知識がベースとなって、さらに深く考えるきっかけになるといい。レポート課題もそうだし、試験問題もそうした意図を持って作成した。それが伝わっただろうか。

 いや、前期の内容ではまだ不十分。何より伝える能力に問題がある。ならばなおのこと、講義内容を見直し、配布資料を見直し、より伝わるように工夫する必要がある。後期の授業が始まるのは9月末。それまでにもう一度、講義内容を練り直すことにしよう。何より、3回目までは決定的に準備不足だったし、講義テーマの見直しもする予定。オリンピックが終わったら、さっそく着手をしよう。いやその前に、答案の採点をしなくては。まだやるべき仕事が残っている。