とんま天狗は雲の上

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ウクライナ支援の寄付金はどこへいく?

 4月から団地の管理組合の理事長に就任した。市からの調査などに加え、さっそく日本赤十字社から活動資金募集の案内が届いた。「寄付金」とは言っていないが、寄付金控除の対象になるというので、ようするに寄付金だろう。ウクライナ紛争が始まって以来、寄付金募集の広告が目に付く。日本赤十字社の場合は広報や事務経費に使われたのは約1/3で残りは救護活動等に使われたということだが、ウクライナ関連の寄付金の場合、本当のところどれだけの割合がウクライナ国民に渡るのか、よくわからない。

 先日読んだ「タリバン 復権の真実」によれば、アフガニスタン復興支援金の多くが傀儡政権やアメリカの軍産学複合体やメディア、さらには国連機関やNPOなどによって「中抜き」され、アフガニスタン国民に届いたのはほんのわずかだったと言う。そんなもんだろう。寄付金募集って、呼びかける側にとってはけっこう儲かる仕事なのかもしれない。と、この記事を書くためにいくつかのサイトを検索したら、ブラウザのサイドに「ユニセフウクライナ緊急募金にご協力を」という広告が表示された。そんな暇があったら、ブチャ事件の詳細調査でもしたらどうか。

 なんて思っていたら、「世に倦む日日」の記事へのコメント欄に次のような文章を見つけた。

  • ウクライナは対外的借金が6.7兆円あり、今年の支払い債務は9000億円。半分は欧米の銀行やヘッジファンドから、残りの半分がIMF世界銀行、ヨーロッパの投資銀行から。世界有数の「借金大国」だそうです。戦争に巻き込まれでも、返済は続く。私はウクライナ避難民への人道的募金や義援金は軍事費になるんだと思ってましたが、借金返済にあてられるそうです。/当然、避難民へは全く渡らないのは自明ですね。日本政府が税金から支出する援助も、ウクライナ政府経由で最終的にハイエナ国際金融機関へ。/ウクライナ政府の借金が積み上がり2015年には、債務再編を行い債権者に一部免除してもらったが、この時に返済が優先で国民は最後という条件を飲まされた。/厳しいですね。ワシントンの戦争屋にはこういう連中もいるということです。

     

 なんと! 経済制裁の影響で「ロシアの対外債務がデフォルトか」という記事はよく見るが、ウクライナも紛争ぼっ発後、多額の戦時国債を発行している。現在はまだ、ウクライナ支援の意図もあり、購入意欲は高いとされているが、あくまで借金であり、将来的には返済する必要がある。たとえ今回の紛争に何らかの形で勝利したとしても、その後ウクライナが膨大な対外債務で苦しむことになるのは間違いない。

 欧米各国は紛争が収まった後、ウクライナに対する債務は帳消しにするのだろうか。そんなことはないだろう。そしてウクライナ国民支援のための寄付金もその多くはこれら債務の返済に充てられる。戦争で儲けるのは一体だれか。よく見極める必要がある。