とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

「3密」って何だっけ?

 いつも散歩をする植物園のベンチに「3密を避けて、離れてすわりましょう」という注意書きが貼られている。そう言えば「3密」って何だっけ。「密集」はすぐ思い付くけど、あとの2つが思い出せない。

 「密談」「密着」「密会」「密林」「密接」「密告」「密教」「密室」「密葬」「密通」「密偵」「密封」「密閉」「密造」「密度」「密売」「密約」「密輸」「密漁」「密航」・・・。途中から辞書を引いたが、こうして見ると、「密」で始まる言葉にはロクな言葉がない。何しろ「秘密」の「密」。「密入国」の「密」。隠れてこそこそとするイメージが付きまとう。

 で、正解は何だっけ? 「密集」「密接」「密閉」だったようだ。でも考えてみると、「密集を避ける」というのはわかるとして(一定の空間の中に大勢の人が集まることはやめよう)、「密接を避ける」はどういう意味だ。「人と人の距離を保ち、近付き過ぎないようにしよう」という意味のようだが、普通「距離を保つ」とは言うが、「密接を避ける」とは言わない。あえて言えば「接触を避ける」だろう。

 「密閉」も、「密閉容器」は日常的に使用するが、「密閉空間」は日常的ではない。また文字通りの「密閉空間を避けよ」と言いたいのではなく、「換気をよくしよう」というのがこの場合の趣旨だ。「密」を使いたいがために無理な言葉を捻り出したような気がする。その結果が、1~2年も経つと私のように「3密って何だっけ?」ということになる。

 いや、私だけではない。この1週間ほど、家族や知人に「3密って何だっけ?」と聞いたが、誰もすぐに3つとも答えられる人はいなかった。「3密」って本当に意味があったんだろうか。今さら言っても詮無いけど、「換気・離隔・少人数」とか、「人と会う時は、少ない人数で、離れて、換気よく」とか、意味の分かる言葉にした方がよかったんじゃないか。

 もっとも昨日テレビを見ていたら、「コロナの終息に人流抑制の効果は低かった」という大阪大学の研究結果を放送していた。それによれば「人流抑制よりもマスク着用効果の方が、第5波終息を説明できる」というのだけれど、どうなんだろう(もっとも、大阪とコロナが並べられると途端に眉唾に感じてしまうけど)。

 「3密」って言葉。数年後にはどうなっているんだろう。そう言えば小池都知事も何やらいろんな警告を発していたが、何一つ覚えていない。あれはいったい何だったんだろうか?