とんま天狗は雲の上

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国際親善試合(女子) セルビアvs.日本

 女子サッカーのW杯は来年7月に開催される。あと1ヶ月。来月にはE-1選手権も開催されるが、今の時期にヨーロッパ遠征を行うのは意義あるところ。池田体制になっても今一つ結果が出ているとは言えないだけに、WEリーグの成果を形に、少しでも上積みを期待したい。日本のFIFAランクは13位まで下がってしまったが、セルビアのランクは36位。だが、4月に行われたW杯欧州予選ではFIFAランク5位のドイツを破っている。その実力は侮りがたい。

 セルビアの布陣は4-1-4-1。マテイッチをトップに、中盤は右から右SHミヤトヴィッチ、右IHチャンコヴィッチ、左IHフィリポヴィッチ、そして左SHにポリャク。アンカーにはブラゴイェヴィッチが座る。DFは右SBペトロヴィッチ、左SBパブロヴィッチ。CBステファノヴィッチと180㎝の長身CBスロヴィッチが並び、GKはコスティッチ。一方、日本の布陣は4-4-2。田中美南と植木の2トップに、右SH長谷川、左SHに杉田。ボランチは長野と林で組む。DFは右SB清水、左SB宮川。CBは熊谷と南で組み、GKは山下。

 序盤から日本が積極的にDFラインの裏を狙って縦パスを入れていく。7分にはセルビアDFからの縦パスを受けた左IHフィリポヴィッチにCH林がプレスをかけて奪うと、右SH長谷川の縦パスからFW田中がシュート。9分にはCB熊谷の縦パスから右SH長谷川がスルーパス。FW田中がDFと競りながら前に進み、シュートを放つ。積極的に攻めるのはいいが、パスミスが多いのは気になる。15分、CH林がミドルシュート。22分にはFW田中の落としから右SH長谷川がスルーパス。右SB清水が走り込み、クロスに左SH杉田がヘディングシュート。しかしポスト左に外れた。

 なかなかチャンスを決めきれない日本だったが、28分、右SB清水から前線に縦パスを送ると、長身CBスロヴィッチの上を越えて落ちてきたボールをFW植木がそのままヘディングシュート。これが決まり、日本が先制点を挙げた。31分には右SH長谷川が仕掛けて、クロスのこぼれをCH長野がシュート。しかしバーの上を越える。38分にはCH長野の縦パスを受けてFW植木が仕掛けたところを倒され、PA手前でFKのチャンス。これをCH長野が蹴るが、シュートは壁に阻まれた。41分、CB南の縦パスからFW田中がミドルシュート。43分にはCH林が左サイド深い位置からのFKを直接狙うが、ゴールの右へ外れる。前半は長谷川の積極的な仕掛けもあり、日本が圧倒的に攻めたが、植木のヘディングシュートによる1点に留まった。

 後半最初、セルビアは右SHをイヴァノヴィッチに交代。一転、積極的に前からプレスをかけてきた。受け身になった日本だったが、シュートまでは打たせず。逆に11分には右SB清水のクロスからFW田中美南がヘディングシュートを放つ。15分、CH林とFW植木を下げて、右SHに宮澤を投入。長谷川をFWに上げ、CHには猶本が入った。すると直後の17分、FW田中の落としを左SH杉田が右に展開。右SH宮澤のクロスにCH猶本がヘディングシュート。ゴール。入ったばかりの二人が追加点を生んだ。

 セルビアは21分、アンカーのブラゴイェヴィッチを下げて、ミリヴォイェヴィッチを投入。左IHもフィリポヴィッチからストゥパルに交代する。すると22分、右IHチャンコヴィッチのFKからこぼれ球をCBステファノヴィッチがボレーシュート。しかし枠は捉えられなかった。日本も25分、CH猶本の縦パスから左SH杉田が反転ミドルシュート。そして31分、CH長野のスルーパスに右SH宮澤が抜け出し、そのまま切れ込んでシュート。3点目を挙げる。32分、セルビアはポリャクとマテイッチを下げて、左SBヴァイダ、左SHにクネジェヴィッチを投入。ストゥパルをトップに上げ、パブロヴィッチがアンカー。ミリヴォイェヴィッチが左IHに入る。日本も33分、田中と宮川を下げて、FW千葉と左SB宝田を投入。千葉は代表初出場だ。

 すると直後の36分、右SH宮澤からのパスを受けたFW長谷川が仕掛けてCBステファノヴィッチを抜き、クロス。FW千葉が詰めてシュート。日本が4点目。千葉は代表出場3分でゴールを挙げた。40分には杉田と長野を下げて、FW成宮とCB高橋はなを投入。熊谷をボランチに上げ、長谷川を右SH。宮澤は左SHに回した。41分、右IHチャンコヴィッチのミドルシュートは枠を捉えられない。すると43分、右SH長谷川のクロスにFW千葉が飛び込むが触れず、GKコスティッチがブロック。こぼれ球をFW成宮が押し込んで、日本が5点目を挙げた。結局、ゲームはこのまま終了。5-0。日本がヨーロッパ遠征初戦を快勝で飾った。

 交代選手が次々とゴールを奪う理想的な展開。長谷川が右に左に躍動して、日本の攻撃をリードした。一方、左サイドからはイマイチ攻め込むことができなかった。もっとも右SB清水が攻撃的にプレーするので、左SBには守備にも強い選手を置かざるを得ないこともある。宮川もしっかりやっていたとは思う。次はスウェーデン戦。CH林がプレーをしている国だが、セルビア以上に長身で強い選手が多いのではないか。いい経験になる。次も快勝を期待したい。