とんま天狗は雲の上

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FIFA U-20女子ワールドカップ 準決勝 ブラジルvs.日本

 強豪フランスにPK戦の上、勝ち上がった日本。準決勝の相手は無敗無失点のブラジル。しかも日本は中3日に対してブラジルは中4日。厳しい戦いが続く。ブラジルの布陣は4-4-2。ドゥディーナとヤヤの2トップに、中盤は右SHルアーニ、左SHアリーニ。ボランチはカイラニとクリス。DFは右にSBにブルニーニャ、左SBアナ・クラーラ。CBには180㎝を越える長身のタシアーニとラウリンが並び、GKはガビ・バルビエリ。

 一方、日本はアメリカ戦、フランス戦と同じ3-5-2。山本と浜野の2トップに、中盤は大山をアンカーに、右IH藤野、左IH岩崎。WBは右に杉澤、左に小山。CBは田畑、石川、長江が右から並び、GKは大場。藤野以外はフランス戦と同じ先発メンバーが並ぶ。

 序盤はブラジルが守備を固め、日本がパスを繋いで攻めていく。6分、CH大山の縦パスからFW浜野がミドルシュート。14分には藤野のCKからCH大山がミドルシュート。ブラジルは15分、CBラウリンのフィードをGK大場が飛び出してクリアするが、これを右SHルアーニに拾われ、クロス性のシュートを打たれる。だがGK大場がセーブ。19分にはFWドゥディーナがPA左サイドから仕掛け、中へこぼれたところをFWヤヤがシュート。だがCB長江がブロックした。

 ブラジルの攻撃の中心はヤヤ。そして、ルアーニとアリーニの両SHも速くて怖い。さらにぽっちゃり体形のFWドゥディーナに意外にボールが収まる。日本は26分、右WB杉澤のパスをFW浜野が落とし、CH大山が縦パス。これをFW山本が胸トラップするが、流れたところをCBタシアーニがクリアする。それでも攻める日本は30分、左WB小山のパスをFW山本が下がって受けるが、パスはDFに当たって左サイドにこぼれる。これを拾った左IH岩崎がクロス。DFのクリアをFW山本が拾い、DFをかわしてミドルシュート。これがゴールに突き刺さる。ゴール。日本が先制点を挙げた。ブラジルは今大会、初失点だ。

 しかし1点ビハインドになったブラジルが反撃を開始。39分、左からのCKをFWヤヤがヘディングシュートするもCB長江がよく寄せて、枠には飛ばせない。42分、左SBアナ・クラーラのクロスを右SHルアーニが落とし、FWヤヤがシュート。だがCB石川が身体を張ってブロック。44分にはCKの流れからFWドゥディーナのクロスにCBラウリンがヘディングシュート。だがGK大場がナイスセーブする。前半はそのまま日本が守り切って、1点リードのまま折り返した。

 だが後半に入ってもブラジルの攻勢が続く。5分、右SBブルニーニャのクロスはGK大場がキャッチしようとするが、左SHアリーニが猛然と競って、こぼれ球を右SHルアーニがシュート。だがGK大場がセーブした。ナイス。しかし10分、後方からのフィードをFWドゥディーナが収めて中へパスを入れると、FWヤヤの落としを右SBブルニーニャが横にはたいて、CHクリスがシュート。GK大場がわずかに触るものの、バーに当たってゴール内に落ちた。ついにブラジルが同点に追い付いた。さらに12分には右SBブルニーニャが右SHルアーニとのワンツーで駆け上がり、クロスをFWヤヤが収めて、DFをかわしてシュート。だが右SB杉澤がライン上ではね返す。

 その後はようやく日本がペースを握り、攻め返すが、なかなかシュートまでいけない。21分にはブラジルがCHカイラニを下げて、FWプリシラを投入。ヤヤをボランチに下げる。22分、右SHルアーニのクロスに左SHアリーニがシュート。GK大場がナイスセーブ。日本も26分、疲れの見えたCH大山に代えて、天野を投入する。29分、FWドゥディーナがミドルシュート。さらにCHクリスがミドルシュート。日本も31分、FW山本が抜け出し、横に流してFW浜野がフリー。だがトラップがやや流れたか、CBラウリンがクリアした。

 その後もブラジルが攻めるが、日本も集中した守りを崩さない。緊迫した戦いが続く。そして39分、右WB杉澤のカットからCH天野、左IH岩崎と繋ぎ、左WB小山が中へ戻したパスをFW山本が反転しながらスルーパス。これにFW浜野が飛び出して、GKの上を抜くループシュート。日本が勝ち越し点を挙げた。その後はブラジルが選手を3人替えて、3-4-3の布陣を取って攻め立てる。45分にはFWヤヤがシュート。DFブロックのこぼれ球を交代したばかりの左WBラファ・レヴィスがシュート。だが枠を捉えられない。アディショナルタイムは5分。最後はCBタシアーニを前線に上げて、パワープレーで攻め立てるが、日本も最後まで粘り強く守り抜く。そしてタイムアップ。2-1。日本が熱戦を制して、決勝進出を決めた。

 フランス戦以上に厳しい戦いだった。だがヤングなでしこは最後まであきらめず、最後まで戦い続けた。決勝戦はブラジルと同じグループを首位で抜けたスペイン。初戦ブラジル戦をスコアレスで引分けた後は、コスタリカに5-0、オーストラリアに3-0、メキシコに1-0。そしてオランダに2-1と勝ち続けて決勝まで上がってきた。そして4年前のU-20決勝戦も同じ組み合わせ。スペインにとっては4年前のリベンジの機会がやってきた。これまで以上に厳しい相手。だが、日本もフランス、ブラジルと強敵を倒し、経験を積み重ねてきた。日本が史上初の2連覇を達成するか、スペインが4年前のリベンジを果たすか。見逃せない決勝戦となった。がんばれ、ヤングなでしこ