とんま天狗は雲の上

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FIFA U-20女子ワールドカップ 決勝 スペインvs.日本

 U-20ワールドカップのいよいよ決勝戦を迎えた。日本は無敗のまま5連勝して決勝まで進出。前回大会に続いての2連覇を目指す。相手は前回と同様、スペイン。スペインもここまで4連勝。準決勝でオランダに1失点したが、そこまでは無失点。8得点の攻撃力も備えている。

 スペインの布陣は4-4-2。ガバーロとパラルエロの2トップに、右SHエレスプル、左SHマルティネス。ボランチはミンゲサとバルテル。SBは右にラボルデ、左にメディーナ。テハーダとロリスのCBにGKはフォント。オランダ戦と同じ先発メンバーを揃えた。対する日本も準決勝と同じ先発陣。山本と浜野の2トップに、右IH藤野、左IH岩崎。アンカーは大山。右WBに杉澤、左WBは小山。CBは右から田畑、石川、長江。GKは大場。思い切ってプレーしてほしい。

 と思ったが、序盤、スペインの方が前からボールを追い、パスを繋いで攻めていく。一方、日本はパスミスが目立つ。押し込まれた展開が続いた中、12分、右SHエレスプルの縦パスにFWガバーロがラインぎりぎりで飛び出し、シュート。スペインが先制点を挙げた。日本は15分、FW浜野のミドルシュートは最初のシュート。なかなか攻め込んでいけない。そして22分、左SBメディーナからのフィードがCB石川の上を越えて、入れ違いにFWパラルエロが抜け出す。落ち着いてシュートを決めて、スペインが追加点を挙げた。

 25分、CH大山の縦パスを受けたFW浜野がシュートを放つが、GKフォントが難なくセーブ。そして27分、左SHマルティネスのクロスをFWパラルエロが落とすと、対応したCB石川の手に当たる。主審はPKを宣告。これをパラルエロが決めて、前半のうちにスペインが3-0とリードした。ここで日本は藤野をボランチに下げ、布陣を4-4-2に変更する。杉澤を右SHに上げて、田畑が右SB。これでようやく中盤が落ち着いた。

 32分、CB長江の縦パスをFW山本が落とし、FW浜野のスルーパスに右SH杉澤が走り込んで、シュート。惜しくもポスト左に外す。33分にはCH藤野のクロスからFW山本がシュート。GKが弾いたボールを山本が拾って、落としをFW浜野がシュート。これもDFがブロック。こぼれ球をCH大山が右に展開すると、右SH杉澤のクロスにFW浜野がバイシクルシュート。枠は外したが、ようやく日本が攻められるようになってきた。39分にはFW山本のクロスに右SB田畑が走り込み、シュート。GKフォントがナイスセーブで弾き出す。前半はこれで終了。スペインが前半だけで3-0とリードした。

 すると日本は後半最初、長江と岩崎を下げて、CH天野と左SH松窪を投入。田畑をCBに下げ、杉澤を右SB。藤野を再び右SHに上げる。スペインもマルティネスを左SHベニテスに交代する。すると開始2分、中盤右サイドのFKをFW山本が左に流す炉、左SB小山のフィードをCB石川が落とし、CB田畑がつないでCH天野がシュート。日本が1点を返した。その後は前半と一転、日本がパスを繋いで攻めていく。15分には左SB小山のクロスのクリアをCH大山がDFと競って、こぼれ球を左SB小山がミドルシュート。だがこれもDFがブロックする。

 守るスペインは17分、ラボルデを下げて、右SHにウリアを投入。エレスプルを右SBに下げて、パラルエロが左SH。ベニテスはトップ下に入る。18分、CHミンゲサがミドルシュートを放つが、GK大場がキャッチ。その後も日本が攻めていく。しかし守備を固めるスペインに対して、なかなか決定機を作れない。26分、FW山本が遠い位置からロングシュート。29分にはCH大山のフィードにCB石川がヘディングシュートをするが、枠は捉えられない。

 スペインは30分、ミンゲサとガバーロを下げて、CHマジリンと左CBスビエタ。布陣を5-4-1にして守る。さらに32分にはパラルエロを下げて、左SHサラソラを投入。ウリアがワントップ。バルテルとサラソラが左右に開き、ボランチにマジリン。ベニテスは中央で高い位置までプレスをかけていく。日本も38分、FW山本に代えて土方。40分、FW浜野がミドルシュートを放つが、わずかにポストの右。43分にはCH大山を下げて、FW島田を投入。4-3-3にして攻めるが、スペインの守備が堅い。結局このままタイムアップ。3-1。スペインがU-20ワールドカップ優勝。前回大会のリベンジを果たした。

 日本は準決勝。前半30分過ぎにダブルボランチにしてようやく落ち着いたが、それまでスペインの中盤を抑えられず、失点を重ねてしまったのが残念。後半は日本が攻めたが、やはり3点差は大きかった。それでも6試合はどれも簡単なゲームはなく、その中でもしっかりと戦って決勝まで勝ち上がっていったのは見事。特にフランス戦、ブラジル戦の痺れる戦いを勝ち抜いたのはいい経験になる。数年後、このメンバーから何人か、なでしこジャパンのメンバーに入っていることだろう。この大会を糧に彼女らがさらに成長することを期待したい。次々回以降のW杯が楽しみになる。