とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

MS&AD杯 日本vs.ニュージーランド

 国際強化試合2試合目はFIFAランク22位のニュージーランドが相手。来年の女子W杯はオーストラリアとニュージーランドの共同開催で、開催国として出場が決まっている。ナイジェリア戦は2-0と勝利したものの、特に前半はナイジェリアの身体能力の高さに戸惑っていたように見えた。FIFAランクではニュージーランドの方がナイジェリアよりも上だが、日本に比べれば格下の相手。今度はすっきり勝利をしたいところ。

 日本の布陣はナイジェリア戦と同じく3-4-3。池田監督はこの布陣をベースにしていきたいのだろうか。植木をトップに、右FW藤野、左FW宮澤。中盤は杉田と林のダブルボランチに、右WB清水、左WB遠藤。CBは右から高橋、熊谷、南。GKは山下。宮澤、杉田、清水と高橋、熊谷以外は先発を変えてきた。中でも、18歳の藤野が先発で起用されたのは注目に値する。一方、ニュージーランドはオーソドックスな4-4-2。長身FWのウィルキンソンとサッチェルの2トップに、右SHライリー、左SHチャンス。ボランチはスタインメッツとハセット。DFは右SBムーア、左SBアントン。バンジとボウエンのCBにGKはエッソン。日本の海外組とチームメイトな選手も何人かいる。

 開始4分、右FW藤野が積極的にミドルシュートを放つ。こうした思い切りの良さが彼女の良さだ。9分には藤野のCKのこぼれをCB熊谷がシュート。さらに12分にはCF植木がミドルシュート。これで得たCKの流れから、13分にはCH林がミドルシュート。CH林は14分にもミドルシュートを打っていく。序盤から日本が積極的に攻めて、ナイジェリア戦とは違う展開。ニュージーランドの初シュートは18分、左SHチャンスがミドルシュートを放つが、枠は捉えられない。

 19分にはCHハセットのミスパスを右FW藤野がカットして、ミドルシュート。26分にも藤野のCKからCB高橋がヘディングシュートを放つ。積極的に攻めるが、なかなかゴールには繋がらない。37分、左FW宮澤がミドルシュート。38分、CF植木がミドルシュート。さらに左WB遠藤のクロスから右FW藤野がシュートを放つが、バーの上を越えた。藤野とともに、左サイドではWB遠藤の積極的な仕掛けが目立つ。

 42分、CB高橋の縦パスをCF植木がポストになって右に流すと、右FW藤野が走り込み、サイドチェンジから左WB遠藤がシュート。そして44分、左WB遠藤が仕掛けると、CF植木の落としに遠藤が走り込み、左に流したところを左FW宮澤がシュート。ついに日本が先制点を挙げた。前半はこれで終了。日本の1点リードで折り返した。

 日本は後半最初、CH杉田に代えて長野を投入する。後半序盤は、ニュージーランドが押し込む。4分にはCKからFWウィルキンソンがヘディングシュート。ポストを叩いた。だがその後はまた日本がペースを握る。7分、右CB高橋のミドルシュートはバーのやや上。8分にはCH長野から左前にパスを送ると、左FW宮澤が走り込み、戻しのパスを左WB遠藤がシュート。ポスト右に外れる。さらにCF植木がミドルシュート

 ニュージーランドは12分、FWウィルキンソンを下げて、同じく長身のジェールを投入する。14分、右WB清水のサイドチェンジから左WB遠藤のクロスに右WB清水がシュート。そして16分、CH長野のクロスにCF植木がDFを抑えてヘディングシュート。これが決まる。日本が追加点を挙げた。その後も日本のパスがよく繋がり、ニュージーランドを圧倒する。19分には左WB遠藤のクロスからCF植木がシュート。22分には右FW藤野がミドルシュートを放つ。

 そして24分、林を下げて、左CB宝田を投入。南をCBの中央に移し、熊谷をボランチに上げた。ニュージーランドも30分、ライリー、ムーア、エッソンを下げて、CBテイラー、右SBバリー、GKリートを投入。ボウエンを右SHに上げる。31分、右FW藤野がドリブルで上がり、ミドルシュートを放つ。18歳とは思えない積極性。そして37分、今度は遠藤と高橋に代えて、左WB小山と右CB乗松を投入する。小山は17歳だ。43分、DFラインのミスからFWジェールに運ばれ、ミドルシュートを打たれるが、GK山下が余裕でセーブ。

 45分には宮澤に代えて、CH宮川を投入。長野を1列上げる。ニュージーランドもチャンスとハセットを左SHロルストン、CHブレークに交代する。45+2分には右FW藤野のCKからCH熊谷がヘディングシュート。バーを叩く。さらに45+2分、右FW藤野のクロスから左FW長野がシュート。しかしこれはしっかりふかしてしまった。長野も苦笑い。そしてタイムアップ。2-0。日本がニュージーランド相手に快勝した。

 ナイジェリア戦よりも楽にプレーできた印象。3バックにして、遠藤と清水の両WBがより攻撃に専念できている。また、藤野と宮澤の両SHもイキイキとプレーしていた。ボランチは杉田よりも長野の方がより攻撃的になれる。来月にはイングランドとのゲームが待っている。3-4-3の布陣は欧米などのより強い相手にも効果がありそうだ。さらに長谷川や岩渕が加わるとどんなサッカーが観られるだろうか。いよいよなでしこの進化が楽しみになってきた。