とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FIFA女子ワールドカップ2023 グループC第1戦 日本vs.ザンビア

 いよいよ女子W杯が始まった。開幕戦、ニュージーランドノルウェイを破ったのは驚きだったが、もう一つの開催国オーストラリアもアイルランドを破り、順調なスタートを切った。さて、日本の初戦は出場チーム中、最下位のFIFAランク77位のザンビア。だが直前に行われた練習試合でドイツに3-2で勝利している。FWのバーバラ・バンダは東京五輪では2試合連続ハントトリックだったそうで、要注意。でも結局、勝利を挙げられず、グループリーグで敗退したということは、守備に課題があるのだろう。

 日本の布陣は3-4-3。田中美南をトップに、右FW藤野、左FW宮澤。長野と長谷川でダブルボランチを組み、右WB清水、左WB遠藤。CBは右から石川、熊谷、南。GKは山下。体調不良が報道された19歳石川も先発し、先日のパナマ戦と同じ先発メンバーだ。対するザンビアは4-1-4-1の布陣。バーバラ・バンダをトップに、右SHクンダナンジ、左SHマペパ。ボランチはスーザン・バンダをアンカーに、右IHルング、左IHカトンゴ。DFは右SBベレム、左SBテンボ。ムウェンバとムセサのCBにGKはムソンダ。

 序盤から日本がゲームを支配する。6分、右FW藤野の縦パスからCF田中がシュート。7分、CH長野から左に流して、左WB遠藤がクロス。ファーに流れて、右WB清水がクロスを入れると、右FW藤野がシュート。だがGKムソンダがファインセーブで弾き出す。10分にも右FW藤野がミドルシュートを放つが、右ポストにはね返された。14分、今度はCF田中がミドルシュート。そして21分、右サイドから蹴り込んだWB遠藤のFKにCF田中がジャンプするが届かず、DFのクリアをCF田中がシュート。ゴール。日本、先制点かと思ったが、FKを蹴った時の田中の位置がオフサイドだった。これは残念。

 その後も攻めるが、なかなかゴールが遠い。29分、左FW宮澤のスルーパスに左WB遠藤が走り込み、クロスにCF田中がシュート。しかしうまく当たらない。ザンビアは34分、右SHクンダナンジを左WB遠藤が倒して自陣深い位置でFKを得る。これがこのゲームで最初のチャンス。だが左SHマペパのFKはGK山下がキャッチした。

 35分、左CB南から右前に大きく縦パスを蹴り込むと、右FW藤野が走り込むが、CBムウェムバが対応。39分、CH長野のミドルシュートもGKムソンダがファインセーブする。DFはともかく、GKは当たっている。このまま前半が終わるかと思った43分、CH長谷川のスルーパスに右FW藤野が走り込み、クロスに左SH宮澤がシュート。ゴール。オフサイドもなし。ついに日本が先制点を挙げた。よかった。45分には左WB遠藤のスルーパスにCH長野が走り込み、クロスをCF田中が右に送って、右WB清水がシュート。しかしこれは枠に入らなかった。1-0。前半は日本の1点リードで折り返した。

 後半も日本ペース。3分、右CB石川のフィードに左FW宮澤が抜け出してシュートするもポストの左。4分、今度は左CB南から左サイドへフィード。左WB遠藤が抜け出して、クロスにCF田中がシュート。ゴール。だがこれもVARの結果、オフサイドでゴールは認められず。さらに6分、CH長谷川のスルーパスに右FW藤野が走り込み、PA内で飛び出したGKムソンダに倒される。GKムソンダにはイエローカードが提示された。だがVARの結果、藤野の位置がオフサイドだったとして、PKは取り消される。でもイエローカードは変わらなかったようだ。

 追加点もなかなか遠い日本。だが10分、CH長谷川のスルーパスに左WB遠藤が走り込み、クロスにCF田中がシュート。今度はしっかりDFの位置を確認して走り込んだ。ゴール。ようやく日本が2点目を挙げる。13分、左CB南のフィードに走り込んだ右FW藤野がシュート。だがこれはバーの上。藤野もなかなかゴールが決まらない。そして17分、右WB清水のスローインにCF田中が走り込み、エンドラインぎりぎりからクロス。これを左FW宮澤がシュート。日本が3点目を挙げる。田中の上げたボールがラインを割っていなかったか、VARになったが、三苫の1ミリよりは内側に残っていた。

 21分、日本は田中に代えて、CF植木を投入。すると23分にはCF植木がポストに入って、ヘディングで前に送ったパスに右FW藤野が走り込み、クロスに左FW宮澤がシュート。だがこれはポスト左に外れた。そして26分、右CB石川のフィードに走り込んだ右WB清水からのパスをCF植木が落とし、CH長谷川が左に流して、左WB遠藤が持ち込んでシュート。4点目を挙げた。

 直後、ザンビアはマペパとルングを下げて、FWにルバンジ、右SHにチトゥンドゥを投入。布陣も4-4-2に変更。クンダナンジを左SHに回す。しかし日本の攻めの圧力は弱まらない。28分、CH長谷川から右に展開すると、右WB清水のクロスに右FW藤野がヘディングシュート。29分には右FW藤野のスルーパスにCF植木が走り込み、シュートを放つが、バーの上に外す。

 32分、藤野と遠藤に代わり、右FW猶本、左WB清家を投入。先日のパナマ戦と同じ交代だ。すると33分、左WB清家の縦パスにGKムソンダとCBムウェムバが交錯し、こぼれ球をCF植木がシュート。だが左SBテンボがクリアする。交錯したCBムウェンバは37分、ピリへの交代を余儀なくされた。39分、右CB石川のフィードに右FW猶本が走り込み、クロスにCF植木がヘディングシュート。だがこれはポストの右。ザンビアは40分、途中出場の右SHチトゥンドゥのクロスをCFバーバラ・バンダが収めるが、CB熊谷の足が伸びて、チャンスを潰す。さすがキャプテン。

 45+3分、日本は宮澤に代えて左FW千葉を投入。千葉は積極的に最前線で走り回る。45+4分、CH長谷川のパスから左WB清家がミドルシュート。45+6分、右FW猶本のクロスに左FW千葉がシュート。そして45+7分、CH長谷川のスルーパスにCF植木が走り込むと、飛び出したGKムソンダが足を払って倒してしまう。ムソンダは2枚目のイエローカードで退場となってしまう。ザンビアは右SHチトゥンドゥをGKサカラに交代する。PKを蹴るのはCF植木。だがGKサカラの反応が良く、PKを弾くと、バーに当たってはね返りに、植木と長野が詰めるが、重なってうまくシュートが打てず。まあ4点差だし、しょうがないか。と思ったら、PKの際のGKサカラの飛び出しが早く、PKがやり直しになった。45+11分、このやり直しのPKを今度こそはCF植木が決めて、日本が5点目。そしてタイムアップ。日本が5-0で勝利した。

 結果はFIFAランクを見れば当たり前。だが、順当に勝利できたことは今後に繋がる。特に、5得点した全員が皆、W杯初ゴールだったことは大きい。再三のオフサイドで何度もゴールが取り消された田中も最後は慎重にゴールを決めたし、植木もやり直しの末、PKを決めた。これで緊張から解放されるだろう。長谷川がボランチに下がって、伸び伸びと攻撃のタクトを振っているのも頼もしいし、長野のバランスの取れたプレー振りも素晴らしい。そして石川、藤野の若手もいきいきとプレーをしている。次は藤野のゴールに期待しよう。

 次はコスタリカ戦。第3戦のスペイン戦に備えて、思い切って先発メンバーを交代するだろうか。杉田や守屋、林、高橋らを先発させ、慣らしておきたい。決勝トーナメントの組み合わせを見れば、グループCを2位通過した方が準々決勝でアメリカと当たらずに済むかもしれない。そういう意味では第3戦スペインには必ずしも勝つ必要はない。次のコスタリカ戦、池田監督はどんなゲームをするだろうか。先を見通してゲームに臨むことが必要かもしれない。