とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

MS&AD2023 日本vs.パナマ

 女子W杯の中継が決まった。よかった。今年は久し振りにやれそうな気がする。いや、そう思いたい。そのW杯前最後のゲームが仙台で開かれた。相手はパナマFIFAランクは52位とかなり格下だが、それでもW杯初出場を決めた。2年前のゲームでは7-0で大勝したが、今回もいい結果を残し、W杯本番を迎えたい。

 日本の布陣は3-4-3。田中美南をトップに、藤野と宮澤がシャドーに入る。中盤は長野と長谷川のダブルボランチに、右WB清水、左WB遠藤。長谷川をボランチに入れて、ようやく日本の攻撃に核ができたような気がする。DFは右から石川璃音、熊谷、南。GKは山下。U-20の準優勝メンバーである石川がいよいよ代表入りして、先発出場。体格もよく、攻撃力もあるだけに期待は高い。対するパナマも同じく3-4-3。タナー・ライリーをトップに、右WGエミリ・セデーニョ、左WGコックス。キンテーロとゴンザレスのダブルボランチに、右WBカスティージョ、左WBジャエン。CBは右からナティス、ビンソン、バルトリップ。GKはベイリー。

 序盤、パナマが積極的に前から攻めてくる。だがうまく対応すると、すぐに日本ペースになってくる。11分、CBナティスがうまく収められなかったボールを左FW宮澤が奪うと、そのままドリブルからシュート。GKベイリーが素早く飛び出し、身体に当てる。17分、左WB遠藤がドリブルで持ち上がり、横パスにCH長谷川がミドルシュート。24分、CH長谷川のスルーパスに左FW宮澤が抜け出してシュート。26分には右FW藤野がミドルシュート。GKベイリーがパンチングではね返すと、左WB遠藤がミドルシュート

 一方的に日本が攻め込むが、なかなかゴールが生まれない。2年前に0-7で敗れた時と比べれば、パナマもずっと良くなっているような。29分、CH長谷川の縦パスにCF田中が抜け出して、飛び出したGKをかわすループシュートを放つが、枠は捉えられない。30分には左FW宮澤から右に展開。右FW藤野のクロスにCF田中が走り込むが、手前でGKベイリーがセーブした。

 なかなかゴールが挙げられない日本だったが、33分、CH長谷川から右へ大きく展開。右WB清水が駆け上がると、ミドルシュートはGKベイリーが何とか触ったものの、後ろにこぼして、そのままゴールに飛び込んだ。ゴール。日本がようやく先制点を挙げた。すると追加点は早かった。37分、左WB遠藤のパスをCF田中がスルーパス。CH長谷川が走り込み、飛び出すGKの上を超えるふわりとしたシュート。追加点を挙げた。

 その後も攻める日本。41分、CF田中がミドルシュート。さらに右WB清水のパスをCF田中が左に流して、左FW宮澤がシュート。44分には左WB遠藤のクロスからCF田中がミドルシュート。バーを叩く。はね返りを左FW宮澤がシュートするも、枠は捉えられない。45+1分には再びCF田中がミドルシュート。前半は日本が2点リードで折り返した。

 後半頭、日本は田中と遠藤を下げて、CF植木と左WB清家を投入する。彼女らのポジション争いも厳しい。4分、右WB清水のクロスにCF植木がボレーシュート。GKベイリーの正面を突いたが、後半は前半以上に日本が前からプレスをかけて攻めていく。9分、パナマは左WBジャエンがケガでバルガスに交代する。W杯前のケガは痛い。大丈夫だろうか。

 その後も攻める日本。そして14分、左WB清家のスルーパスに左FW宮澤が走り込み、そのまま左サイドを抉って、クロスをCF植木がスルー。右FW藤野がシュート。代表初ゴールを挙げた。日本が3点目。さらに16分、左WB清家からのサイドチェンジを受けたCH長谷川がミドルシュート。これがCBビンソンに当たってゴールに飛び込んだ。日本が4点目を挙げた。17分、藤野は同じU-20メンバーの左FW浜野と交代。宮澤が右FWに回る。20分、CH長谷川のパスを受けた左FW浜野が中へとボールを運び、強引にミドルシュートを打っていく。藤野に負けるかと積極的な姿勢は好ましい。パナマもその直後、ゴンザレスとタナー・ライリーを下げて、CHサラザールと左WGミルズを投入。コックスがトップに上がる。

 23分、左WB清家のミドルシュートはバーの上。25分には長谷川と宮澤を下げて、CH林と右FW猶本を投入する。29分、左WB清家がミドルシュート。30分には右FW猶本もミドルシュートを放つ。さらに37分には右WB清水のクロスを右FW猶本がボレーシュート。だがGKベイリーの正面を突く。38分、右CB石川を高橋はなに交代。石川は守備で特に破綻もなく、パスや持ち上がりなど、十分その持ち味を見せつけた。直後の38分、左WB清家の縦パスから左FW浜野のクロスにCF植木が反転シュート。

 39分、パナマはナティスとバルトリップの両CBを下げて、モンテネグロエスビノサを投入する。40分、左WB清家の縦パスにCF植木が抜け出すが、後ろからCBエスビノサが肩を掴んで倒し、PA手前でFKのチャンス。右FW猶本のFKは左ポストにはね返された。そして45+2分、左サイドから猶本がFKを蹴り込むと、飛び出したGKベイリーがクリア。これを拾ったFW浜野がミドルシュートを放つと、CB高橋に当たって、こぼれたボールをCB南がシュート。日本が5点目を挙げた。そしてタイムアップ。5-0。前回の7-0には及ばなかったが、日本が快勝。W杯に向けて、いい壮行試合となった。

 岩渕が選考から漏れたのが吉と出るか、凶と出るか。だがこの日のゲームでも、藤野や宮澤が積極的に走ってゴールを狙った。さらに浜野の積極的にゴールを狙う姿勢も頼もしい。経験よりも若さか。猶本が初めてW杯メンバーに選考されたのは、セットプレーのキッカーとしての期待か。植木と田中のCF争いも興味深いが、このゲームのように田中が先発し、植木が途中出場でゴールを狙うのがいいかもしれない。他にも左WBの争いや右CB、さらにGKもどうなるかわからない。複数のポジションで高いレベルの争いがあるのはいいことだ。しかもW杯初戦はFIFAランク77位のザンビアが相手。続いてコスタリカ、スペインと次第に相手が強くなっていくのは、日本にとってもやりやすいのではないか。W杯開幕はいよいよ来週。4大会ぶりの優勝だってけっして不可能ではない。自分を信じて、最後まで一所懸命、かつ楽しく戦おう。がんばれ、なでしこ。