とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FIFA女子ワールドカップ2023 グループC第3戦 日本vs.スペイン

 日本、スペイン共にここまで2勝し、決勝トーナメント進出を決めた。しかし得失点差ではスペインが上。万一、このゲームがドローで終われば、日本はグループリーグ2位通過となる。首位通過であれば、次のゲームも同じスタジアムとなり、移動がないが、2位通過だとオークランドまで1000㎞の移動を余儀なくされる。しかし、その後の組み合わせを見ると、首位通過で勝ち上がると、準々決勝ではアメリカと対戦する可能性が高い。無理せず、引き分けでもいいのではないかと思った。

 日本の布陣は3-4-3。植木が今大会初めて先発で出場し、シャドーは右に宮澤、左に猶本。ダブルボランチは長谷川をベンチに置いて、長野と林で組む。WBは右に清水、左に遠藤。CBは右から高橋はな、熊谷、南。GKは山下。これでケガの浜野とGKを除いて、他のメンバーは全て出場を果たす。対するスペインの布陣は4-3-3。エルモソをトップに、右WGパラジュエロ、左WGカルデンテイ。中盤はアベレイラをアンカーに、右IHボンマティ、左IHプテジャス。DFは右SBバレ、左SBカルモナ。ガルベスとパレデスのCBに、GKはロドリゲス。

 序盤からスペインがパスをつないで攻め込んでいく。5分には左WGカルデンテイのフィードに右IHボンマティが飛び込むが、わずかに合わない。日本はスペインの強い寄せにファールをもらって、猶本や長野がFKを蹴り込むが、シュートまではいかない。守りからカウンターを狙うが、なかなかゴールは遠い。と思っていた前半12分、CB熊谷から左サイドに大きくフィードをすると、左WB遠藤がDFラインの裏側の広いスペースにアーリークロスを放り込む。これにCF植木が走り込み、さらにファーから右FW宮澤が抜け出す。そしてシュート。カウンター一発、日本が先制点を挙げた。お見事。

 スペインも15分、左IHプテジャスの縦パスに走り込んだ右IHボンマティが横に流して、CFエルモソがシュート。だがうまく足に当たらない。19分には右SBバレの戻しから、右WGパタジュエロがミドルシュートを放つが、GK山下がセーブする。パスを回して攻めるのはスペインだが、ゲームは日本が完全にコントロールしている。しっかり守れば、スペインの攻撃も怖くない。そして29分、CF植木のポストプレーからCH長野が縦パスを入れると、右FW宮澤が抜け出してドリブル。左に流して、CF植木が切り返しからミドルシュート。CBパレデスの足に当たったシュートは大きく撥ねて、そのままゴールに吸い込まれた。日本が追加点を挙げた。

 その後もパスを回すスペインに対して、日本の守備は落ち着いて、しっかり対応する。36分、右IHボンマティの縦パスに右SBバレが走り込み、クロスにCFエルモソがヘディングシュート。だが枠は捉えられない。39分、右WGパラジュエロのミドルシュートは右FW宮澤がブロック。そして40分、CBパレデスの縦パスをCH長野がカットすると、CH林につなぎ、CF植木がドリブルで前進。右を駆け上がった右FW宮澤に絶妙なタイミングでパスを入れると、宮澤がシュート。なんと前半のうちに日本は3点目を挙げた。スペインは45+3分、CBパレデスが苦し紛れのロングシュート。しかし難なくGK山下がキャッチして、前半はここでタイムアップ。3-0で日本がリードした。

 すると後半頭、日本は2ゴール、2アシストの右FW宮澤を藤野に交代する。スペインも左SBカルモナを右SBエルナンデスに交代。バレが左SBに回った。3分、CHアベレイラから左に流して、左SBバレがミドルシュート。しかし6分、日本はサイドチェンジのパスを左WB遠藤がカットして、右前にフィード。CF植木が走り込むが、DFが対応し、こぼれ球をCH長野がミドルシュート。DFブロックのこぼれ球をCH林が右に展開し、右WB清水のクロスに左FW猶本がボレーシュート。しかしこれはうまく当たらなかった。

 その後もパスを回すスペインに対して、余裕を持って守る日本。14分には、長野と清水を下げて、CH長谷川と右WB守屋を投入する。スペインも17分、プテジャスとカルデンテイを下げて、CFにレドンド、右WGにナバロ。パラジュエロが左WGに回り、エルモソは左IHに下がった。22分、左IHエルモソのミドルシュートはポスト右に外れる。日本もその直後、植木を下げて、CF田中美南を投入した。26分、CHアベレイラのミドルシュートは枠を捉えられない。27分、スペインはそのアベレイラを下げて、ゾルノーザを投入した。35分、日本はCH長谷川がミドルシュート。これはGKロドリゲスがキャッチする。

 そして37分、スペインの攻撃を精力的にリードしていた左WGパラジュエロを下げて、FWゴンザレスを投入。その直後、右WB守屋のスローインを受けたCF田中美南がライン際をDFをかわして持ち上がり、そのままゴール目指して走り込む。最後はDFを切り返してかわし、ミドルシュート。ゴール。日本が4点目を挙げた。40分には左WB遠藤に代えて杉田。45+1分、左FW猶本のFKはわずかにバーの上。スペインも45+3分、右からのクロスをFWゴンザレスがボレーシュートするが、難なくGK山下がキャッチ。そしてタイムアップ。4-0。難敵と思われたスペイン相手に4-0と快勝。首位でグループリーグを突破した。

 すばらしい。決勝トーナメントの組み合わせを勘案していたのがバカみたい。今の日本にはそれ以上の実力がある。何より熊谷を中心にしっかりと声が出て、守りからカウンターの形ができている。次はグループAを2位で通過したノルウェーが相手。開幕戦で開催国のニュージーランドに0-1と不覚を取ったが、フィリピンを6-0と一蹴して、決勝トーナメント進出を決めた。FIFAランクは日本とほぼ同じ12位。今の調子から言えば、日本が勝っておかしくないと思うが、決勝トーナメントは一発勝負。思わぬ失点から負けてしまうこともある。気を引き締め、一歩一歩、頂点を目指していきたい。今のなでしこならやれるはず。まずは次のゲームに集中しよう。がんばれ、なでしこジャパン