とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FIFA女子ワールドカップ2023 ベスト16 ノルウェーvs.日本

 ベスト16はFIFAランク12位のノルウェーとの対戦。グループリーグでは開幕戦に開催国のニュージーランドに不覚を取ったとは言え、第3戦のフィリピン戦で6-0と大勝し勝ち上がってきた。グループリーグで戦ってきたチームとは異なり、強さと高さのある相手。前回のW杯、さらに東京五輪と決勝トーナメント1回戦で敗戦してきた日本にとっては、まずは超えるべき鬼門でもある。

 ノルウェーの布陣は4-3-3。ロマン・ハウグをトップに、右WGグラハム・ハンセン、左WGハーヴィ。中盤はシルスタッド・エンゲンをアンカーに、右IHボー・リサ、左IHレイテン。DFは右SBビエルデ、左SBテューバ・ハンセン。CBにミエルデとハルヴィケンが並び、GKはミカルセン。一方、日本の布陣はいつもの3-4-3。田中美南をトップに、右FW藤野、左FW宮澤。中盤は長野と長谷川のダブルボランチに、右WB清水、左WB遠藤。CBは右から高橋、熊谷、南。GKは山下。高橋が前のゲームに続いて先発したのはノルウェーの高さ対策か。他は、池田監督の考える現在のベストメンバーか。

 序盤からノルウェーはCHシルスタッド・エンゲンがDFラインに下がって、5バックの陣形を取る。8分、左FW宮澤がミドルシュート。押し込む日本は2度3度とCKのチャンスを掴んでいく。14分には右FW藤野のCKにCF田中がヘディングシュート。だがDFがクリア。そして15分、左FW宮澤が遠目からゴール前にクロス。右FW藤野が走り込むが、その手前でCHシルスタッド・エンゲンが足を伸ばすが、それでコースが変わり、そのままゴールに転がり込んだ。オウンゴールで日本が先制点を挙げた。

 19分にはCBミエルデのミスから左FW宮澤がボールを奪い、ドリブルからシュート。しかし直後の20分、GKからのフィードからボールを収めたCFロマン・ハウグが右サイドにスルーパス。右IHボー・リサが駆け上がり、クロスに左IHレイテンがヘディングシュート。これがゴールに吸い込まれる。ノルウェーが同点に追い付いた。日本は人数は揃っていたのに、マークが不十分。高さに勝るレイテンに自由にヘディングをさせてしまった。

 その後、少し日本の攻撃が低迷するが、すぐに再び日本が攻め込む展開になる。25分、CF田中のミドルシュートはポストの右。ノルウェーも26分、CFハウグのポストから左IHレイテンがミドルシュートを放つが、これはポストの左。41分、左FW宮澤の縦パスをCF田中が落とし、CH長谷川が右に流して、右WB清水がシュート。だが枠を外す。前半はこのまま1-1で折り返した。

 後半に入ると、序盤から日本が前からのプレスをかけていく。2分、左WB遠藤からのパスを左FW宮澤が中に送り、CH長谷川がミドルシュート。4分には右FW藤野のスルーパスに左FW宮澤が走り込む。そして5分、左WB遠藤のパスを左FW宮澤がスルーパス。CH長谷川の落としは右IHボー・リサがカットしたが、左SBハンセンへのパスを右WB清水がカットして、そのままシュート。日本が勝ち越し点を挙げた。

 その後も日本がパスをつないで攻める展開が続く。ノルウェーは18分、ハーヴィとボー・リサを下げて、右IHセーヴィック、左WGマーヌムを投入する。しかし日本の攻勢は変わらない。20分、左FW宮澤がミドルシュート。27分にはCF田中を植木に交代。28分、その植木は直後の28分、右ライン際を突破し、そのままドリブルで持ち上がり、クロスを入れるも、CBミエルデにクリアされた。29分、ノルウェーは左SBハンセンを下げて、FWにヘーゲルベルグを投入する。2トップにして、前線に長いボールを放り込んでいく。

 31分、左サイドからのクロスをFWハウグがヘディングシュート。32分、右SGグラハム・ハンセンが中へドリブル。対応したCH長谷川の足に当たって、これが絶好のスルーパスとなり、CHセーヴィックがシュート。だが左に外れる。33分には右SHグラハム・ハンセンのパスから左SHマーヌムがミドルシュート。だが、GK山下がキャッチする。やや受け身に回っていた日本だが、36分、右WB清水が縦パスを出すと、右FW藤野が中に運んでスルーパス。これに左FW宮澤が走り込み、そのままシュート。得意のカウンターから日本が3点目を挙げた。

 ノルウェーも38分、左からのアーリークロスにFWヘーゲルベルグがシュートを放つが、枠は捉えられない。42分、CH長谷川のミドルシュート。43分には左FW宮澤のパスからCF植木がシュート。43分、ノルウェーはビエルデに代えて右CBホルテ。44分、CH長谷川がドリブルからミドルシュートと日本も積極的にゴールに迫る。アディショナルタイムは5分。45+1分、右SHグラハム・ハンセンのクロスをFWロマン・ハウグがヘディングで落とすと、CHセーヴィックがヘディングシュート。しかしこれもGK山下がラインぎりぎりのビッグセーブでゴールを許さない。そしてタイムアップ。3-1。前半、同点で折り返した時は、どうなるかと心配したが、結果は快勝。準々決勝進出を決めた。

 さて、準々決勝の相手はアメリカか、スウェーデンか。悠々の3連勝でグループリーグを突破したスウェーデンに対し、アメリカは1勝1分と苦労して、グループ2位。だが、FIFAランクアメリカが1位でスウェーデンが3位。現在の調子ならアメリカの方がやりやすいという声もあるが、さてどうなるか。いずれにしても強敵であることは間違いない。というか、実質の決勝戦ではないか。その後も厳しい戦いが続く。でも、苦労してこそ価値がある。サッカー内容は依然好調だ。次も勝利を挙げてくれると信じている。がんばれ、なでしこ。