ここ3戦、アウェイで連敗し、ホームに戻った前節も横浜FCに後半追い付かれ、ドロー。代表ウィークにはルヴァン杯でアントラーズにアウェイで延長勝利し、準決勝進出を決めたものの、得点不足は否めない。相手のアビスパは前節連敗を止めての8位。しかし、天皇杯ではベルマーレに勝利して、さらにルヴァン杯もFC東京に競り勝って、ともに準決勝進出を決めた。ルヴァン杯準決勝でも直接対決が待っている。4試合ぶりの勝利を期待した。
アビスパの布陣は3-4-3。山岸をトップに、紺野と金森がシャドーに入る。中盤は前と井手口のダブルボランチに、右WB前嶋、左WB小田。CBは右からグローリ、奈良、宮。GKは村上。対するグランパスの布陣も同じく3-4-3。ユンカーをトップに、右FW森島、左FW永井。中盤は内田と稲垣のダブルボランチに、右WB野上、左WB和泉。CBは右から藤井、中谷、河面。GKはランゲラック。代表帰りの森下はベンチからのスタートとなった。
序盤、お互い互角の展開。7分、アビスパは左FW金森が仕掛けて、クロスにCH井手口がボレーシュート。8分には右FW紺野がミドルシュートを放つ。グランパスも11分、右FW森島が直接FKを狙うが、CB中谷に当たってしまった。14分、アビスパはCH井手口のパスを右FW紺野が落とし、CF山岸がシュート。GKランゲラックがセーブするが、次第にアビスパがパスを回して攻める展開になっていく。グランパスは堅い守りからロングボールで前線を走らせるが、うまく合わない。21分、左CB河面のFKに右CB藤井がヘディングシュートするも、ポストの左。22分には左CB河面がヘディングで前線に送り、CFユンカーがボレーシュート。これで得たショートCKから右FW森下がクロス。CB藤井が落としたこぼれ球をCH稲垣がシュート。しかしDFがブロック。さらに続く森島のCKをFW永井がフリック。CH稲垣がボレーシュートを放つが、わずかにバーの上。これがこのゲーム、最も惜しかった場面だった。
アビスパは29分、右FW紺がカットインからミドルシュート。CH内田がブロックすると、こぼれ球をCF山岸が拾い、落としを右FW紺野が再びシュート。だが枠を外す。その後もアビスパは前からのプレスが厳しく、グランパスは余裕を持ってパスを繋げない。44分にはアビスパがパスを回して攻め込み、最後はCH井手口がミドルシュート。枠は外したが、アビスパが優勢の内容で前半を終えた。
後半に入るとようやくグランパスが前からプレスをかけて攻め始める。2分、左FW永井がCFユンカーとのパス交換からシュート。だが、GK村上がナイスセーブ。しかし4分にはアビスパも右WB前嶋と左FW金森のパス交換から前嶋がシュート。CH稲垣がブロックする。グランパスも後半は積極的。6分、右FW森島が直接FKを狙うと、10分には左CB河面のフィードをCFユンカーが落とし、右FW森島がミドルシュート。12分には左FW永井がミドルシュートを放つが、DFにブロックされた。
一方、アビスパも14分、CBグローリがミドルシュートを放つと、17分にはCH稲垣からCF山岸がボールを奪い、右WB前嶋が仕掛けるが、CB中谷がストップ。なかなかゴール遠いグランパスは19分、永井と森島を下げて、左WB森下と右WG前田を投入。和泉を左FWに上げる。一方、アビスパは紺野に代えてウェリントンを投入。山岸が右FWに下がる。ウェリントンが強い。グランパスも31分、ユンカーに代えて、CF中島を投入した。
32分、アビスパはCH井手口がドリブルで持ち上がると、左に流して、左WG金森がクロス。これは長過ぎ、何とか右WB前嶋が抑えると、クロスはDFがブロック。こぼれ球をCH井手口がクロス。DFが競って、こぼれ球を左FW金森がシュート。GKランゲラックがナイスセーブする。さらに続く前のCKにCFウェリントンがヘディングシュート。枠は外したが、やはりゴール前にウェリントンは怖い。
すると34分にはアビスパが小田を下げて、右WB湯澤を投入。前嶋を左WBに移す。グランパスも36分、野上と和泉を下げて、右WB久保、OH吉田を投入する。布陣は2-1-4-3。前田と中嶋が前線で並び、吉田はトップ下。38分、アビスパがパスを回して攻め込み、右WB湯澤がミドルシュート。そして39分、左サイドにパスが回ると、左WB前嶋のクロスにCFウェリントンがヘディングシュート。これが決まる。アビスパが先制点を挙げた。
45＋1分には金森と山岸を下げて、鶴野と城後を投入。前線からの守備を強化する。せめて同点に追い付きたいグランパスは遠目からゴール前にクロスを放り込んでいくが、ことごとくはね返される。45＋7分、左WB森下のシュートもDFがブロック。続くCKではGKランゲラックも上がって攻撃参加するが、最後までアビスパの守備を崩せなかった。0-1。アビスパが勝利。これでグランパスは4試合未勝利となってしまった。
前節まで何とか守り続けてきた順位も得失点差でついに5位まで後退。しかし、今節も首位ヴィッセルが負けて、マリノスはドロー。首位との勝ち点差は6のまま変わらない。だが、とにかくゴールが遠い。森下がいない前半は前に仕掛ける選手もなく、左WBに入った和泉も中や後ろへ戻すばかり。では後半はと言っても、森下の仕掛けも止められた。ユンカーと永井によるカウンターに頼るばかりでとにかく攻め手がない。次節は13位コンサドーレをホームで迎え撃つ。ここで勝てないと、このままずるずる順位を下げていきそうだ。攻撃陣の奮起を期待したい。
