とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際強化試合(女子) 日本vs.アルゼンチン

 W杯後初めての国際試合。準々決勝敗退ながら、いいゲームを披露したなでしこジャパンのメンバーがまた集まってきた。W杯での活躍もあって日本のFIFAランクは8位に上昇。一方、対戦相手のアルゼンチンは31位。W杯では1分2敗のグループリーグ最下位で終わった。日本としては勝利はもちろんだが、来月に迫ったパリ五輪のアジア2次予選に向けて、海外メンバーも含めた全体の連携を確認する試合。もっとも2次予選の相手も、ベトナムウズベキスタン、インドなので、楽勝で予選突破をしてくれるだろう。その後、2月に行われる最終予選で出場チームが決まる。そこに向け、調子を合わせていきたい。

 日本の布陣は4-3-3。田中美南をトップに、右WG猶本、左WG宮澤。中盤は熊谷をアンカーに上げ、長谷川と長野がIHに入る。DFは右SB清水、左SB遠藤。南と高橋のCBに、GKは平尾。GK平尾以外はおなじみのメンバーだが、熊谷をアンカーに上げて、より攻撃的に行こうとしたか。対するアルゼンチンも同じく4-3-3。ラロケッテをトップに、右WGグラマリア、左WGロニグロ。中盤はベニテスをアンカーに、右IHファルファン、左IHイッポリト。DFは右SBブラウン、左SBヌニェス。コメッティとサチのCBにGKはコレア。

 序盤から日本がペースを握って攻めていく。そして2分、CHベニテスからのバックパスを受けたCBコメッティがトラップミス。これを見逃さず、CF田中がしっかりプレスをかけてボールを奪うと、GKをかわしてシュート。幸先よく、日本が先制点を挙げた。その後も前からしっかりとプレスをかけて、攻める日本。5分には右WG猶本が左サイドをドリブルで抜け出し、GKと一対一だったが、中へクロスを入れて、DFにクリアされる。やや消極的なプレーで残念。だが10分、アルゼンチンDFのバックパスを左CB遠藤が奪うと、左WG宮澤のクロス。走り込んだCF田中をCBコメッティが倒して、日本がPKを得た。これをCH長谷川が決めて、日本が追加点を挙げる。

 12分、右WG猶本のスルーパスはCF田中が合わず。GKがキャッチ。16分、左WG宮澤が中へドリブルで運び、CH長野が右前に送ると、右WG猶本が抜け出してシュート。だがGKコレアにセーブされる。17分、左SB遠藤のクロスにCF田中がヘディングシュート。だがポストの右。アルゼンチンは18分、CFラロケッテがミドルシュートを放つが、GK平尾がキャッチ。これがこのゲーム、アルゼンチン唯一のシュートだった。

 21分、右WG猶本のミドルシュートも左サイドに外れた。24分、左WG宮澤のスルーパスに抜け出したCF田中がシュート。GKコレアが弾いたボールを右SB清水がシュートするが、右ポストにはね返された。しかし続く遠藤のCKの流れから、CH長谷川のパスに左SB遠藤がクロス。CB高橋がヘディングシュートを決めて、日本が3点目を挙げた。

 28分、右WG猶本のFKは左ポストを叩く。ゴールが遠い猶本。32分には猶本がグラウンダーのCKを送り、CF田中が落として、左WG宮澤がシュート。しかしDFがブロックした。そして39分、CB高橋からの縦パスをCF田中が受けて、反転してスルーパス。CH長谷川が走り込み、DFをかわしてシュート。4点目を挙げた。さらに41分には左WB宮澤のクロスからCH長谷川がシュート。43分、CH長野からのサイドチェンジでフリーになった右WB猶本がミドルシュート。45分、CF田中から右に流して、右WG猶本のクロスに左WG宮澤がシュート。しかし左ポストを叩いた。前半はこれで終了。前半だけで4-0と日本がリードした。

 すると後半頭、日本は二人交代。猶本と田中美南を下げて、右WG杉田、CF植木。一方、アルゼンチンは3人交代。ファルファン、ロニグロ、ラロケッテに代えて、CFプリモ、左

WGシンガレラ、右IHアグエロを投入する。後半はさすがにアルゼンチンも守りを固めてきた。日本は4分、左SB遠藤と左WG宮澤のパス交換から遠藤のクロスにCF植木がシュート。左サイドのこの二人の連携はすばらしい。8分、左SB遠藤がミドルシュート。9分、左SB遠藤の仕掛けからクロスをCF植木がアクロバティックなシュート。GKコレアがセーブ。11分には左SB遠藤のCKにCH熊谷がヘディングシュートするも、枠は捉えられず。そして14分、右WG杉田のクロスに左SB遠藤がヘディングシュート。GKコレアのナイスセーブに防がれた。

 すると15分、日本は長野と宮澤に代えて、左IH林、左WGに清家を投入する。そして16分、CH熊谷の縦パスをCF植木が受けると、DFに囲まれながらこぼれたボールにIH林が突っかけ、こぼれ球を左WG清家がシュート。5点目を挙げた。さらに21分、久しぶりにアルゼンチンが日本ゴールに迫ると、GK平尾がキャッチしてすぐに左前方にフィード。左WG清家が受けて前に送ると、走り込んだのは右WG杉田。落ち着いてGKをかわし、シュート。日本が6点目を挙げる。

 25分、日本は遠藤を下げて、左SB三宅。一方、アルゼンチンもベニテスとイッポリトを下げて、CHペレイラ、左IHロッヘロネを投入する。そして35分、右SB清水のクロスに走り込んだCF植木をCBサチが倒し、PKの判定。蹴るのは植木。W杯準々決勝でのPK失敗が思い起こされるところだったが、落ち着いて決めて、日本が7点目を挙げた。さらに終了間際の45+2分、遠目から左WG清家がミドルシュート。GKの上を越えて、ゴールに吸い込まれた。8点目。そしてタイムアップ。8-0と大量得点で日本が勝利した。

 前からのプレス、厳しい寄せ、攻撃的な縦パスと連携。W杯からの好調を依然維持しているようだ。来月の五輪アジア2次予選もしっかり勝ち上がって、来年2月の最終予選に臨みたい。今のなでしこのサッカーは本当に楽しい。来月もまた楽しいサッカーを堪能したい。