とんま天狗は雲の上

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チェゼーナの健闘 長友はいいチームに移籍した

 ウェストブロビッチ、ニューカッスルブラックプールプレミアリーグで今シーズン下部リーグから昇格したチームとチェルシーマンUアーセナルとの戦いを見ると、どこもチームが理想とする戦い方を試みた上で、結果的に力不足を露呈し大差で負けているケースが多い。しかし負けて元々、リーグ序盤から順位を守る必要もないので、こうした戦い方は理解できる。
 今シーズン、セリエAに昇格したチェゼーナと昨シーズン2位のローマとの対戦も、こうしたゲーム展開の末、木っ端微塵に砕かれるかと思ったが、意外にチェゼーナが健闘し、0-0のドローという結果となった。勝負にこだわるイタリアの特徴かとも思ったが、同時に昇格したレッチェミランにこてんぱんにやられていた。ミランレッチェは後日TV放映があるようだから、その時確認することとして、ローマの不甲斐なさ以上にチェゼーナの健闘が目立ったゲームだった。
 序盤はローマが攻撃のペースを握る。2分、長友のサイドから上げられたクロスにメネスがシュート。4分にもDFからのフィードをヴチニッチがヘディングシュート。しかしチェゼーナは長友も加えたDFラインを浅く保ち、MF陣も守備に戻ってローマ相手に堅固な守備の意識を見せる。
 11分、デロッシのフィードにリーセ、DFが戻したところをトッティがスルーパスを放ちヴチニッチがシュート。しかし12分には長友のクロスからスケロットが落としてガーナ代表のアッピアがシュート。当たりそこねは大きく枠を外れたが、守備一辺倒ではなく反撃も鋭い。
 それを見せつけたのが20分。ローマのCKからのカウンターをジャッケリーニがドリブルで駆け上がり、逆サイドを走った長友にパス。シュートは惜しくも反対側のサイドに外れたが、長友の攻撃面での活躍を見ることができてうれしい。36分にも同様にカウンターからジャッケリーニと長友が抜け出す場面があり、このときは長友にパスが出なかったが、チームの攻撃時の約束事になっていることが窺えた。
 ローマも33分、ヴチニッチからペロッタのシュート。35分にはトッティのスルーパスデロッシがシュートを放つが、GKアントニオーリがセーブ。
 チェゼーナも36分、先に書いたカウンターで迫ると、39分にもジャッケリーニからのパスに長友が駆け上がり、ローマの右SBカセッティを振り回した挙げ句、CKをゲットした。さらに45分にはトッティから長友がボールを奪いドリブル、ジャッケリーニに預けて返しのパスが長友に戻るが、足元に詰まってチャンスをつぶす。だが、長友はすっかりチームに溶け込み、躍動している。特にジャッケリーニとのコンビは、攻撃だけでなく守備面でもうまく相手選手を受け渡し、既にいい連携ができあがっている。
 後半5分にも長友がドリブルからクロス。GKがキャッチ。15分には左サイドからバローロのクロスをボグダニがスルーしてスケロットがシュート。18分にもスケロットのスルーパスに右SBチェッカレリがシュート。後半は長友と反対の右サイド、スケロットとチェッカレリが活躍する。スケロットはイタリアU-21代表。
 しかし初戦ホームから昇格チーム相手に引き分けではいられないローマは次第に攻勢を強めてくる。特に18分、右SHをメネスからタデイに代えてから、長友のサイドを崩す場面が多く見られるようになる。19分、デロッシのスルーパスヴチニッチのヘッド。21分、トッティのFK。26分、タデイのクロスをGKが弾くとヴチニッチがシュート。GKアントニオーリ、スーパーセーブ。27分、CKからリーセが強烈シュート。30分にはトッティのクロスにヴチニッチがヘディングシュート。34分、トッティミドルシュートはGKがキャッチ。35分にはタデイのクロスにトッティがヘディングシュート。
 ローマが怒濤の攻撃を仕掛けるが、チェゼーナもスイス代表のフォンベルゲンとアルゼンチン出身のペジェグリードのCBコンビにGKアントニオーリが絶好調で、最後まで得点を許さない。結局このままドローでゲーム終了。チェゼーナは昇格初戦を非常にいい形で終えることができた。
 そして長友。既にしっかり連携もでき、特に攻撃面では十分戦力になることが確認できた。守備はジャッケリーニが長友の前でよく動き助けていた面もあり、また受け渡しのタイミングなどから何度かクロスを許す場面もあったが、大きなミスはなかったと思う。とりあえず、いいスタートを切った。次はパトの活躍で初戦快勝のミランが相手だ。ローマよりもさらに躍動感あるサッカーを展開している相手だけに長友が守備面でどう対応できるか、興味がある。次節ミラン戦は今シーズンのチェゼーナ、今後の長友を占う上で、目が離せないゲームになる。