とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

未熟さ満載、不安莫大、五輪代表は発展途上?

 五輪壮行試合のニュージーランド戦。W杯でも守って戦うサッカーで参加32チーム中、唯一無敗で帰ったチームでもあるニュージーランド相手に、チャンスを量産するも決めきれず、最後の最後でミスから失点。引分けという結果に五輪に向けて前途多難を思わせた。
 序盤から日本ペース。次々と決定機を演出する。9分、清武のスルーパスに東が抜け出すが、うまく合わない。10分、永井が強烈なドリブル突破を披露、早過ぎて味方が誰も追い付けず、ライン上で振り向いて、みんなの上がりを待ってからのクロスは東が合わせるが、GKグリーソンがブロック。11分、清武のスルーパスに酒井が抜けて、クロスをDFがクリア。大津が受けてシュートを放つが、ハンドの判定。
 さらに15分、永井のスルーパスに東が抜け出すが、うまくトラップが決まらない。16分、大津のミドルシュートが一番ゴールの匂い。だがGKグリーソンがナイスセーブ。19分、清武のドリブルからのスルーパスに大津が抜け出し、シュートするもDFがブロック。
 永井が絶好調でニュージーランドDFを寄せ付けないスピードと積極性なドリブル突破を見せると、清武も広い視野からスルーパスを連発。さらに大津の積極的なプレーも目に付いた。一方、よく動き回るものの雑さが目に付いたのが東。彼がもう少し落ち着いてプレーできればもっと早く先制できていたはず。このポジションには宇佐美を期待。ただし東のような受けるプレーがどこまでできるか疑問。もう一人、右SB酒井は積極性を見せるが、キックの精度が今一つ。次第に積極性も失われ、まだ五輪代表の中では十分機能していない。
 日本は個人技主体で攻め続ける。26分、清武のポストから永井がミドルシュート。30分、徳永のクロスを大津が後ろ向きに胸でトラップ、そのままオーバーヘッドシュートでゴールを狙う。GK正面。35分には永井がドリブル突破から強引にシュート。DFに当たったボールはゴールに飛ぶが、GKグリーソンが弾き出す。36分にはCKに大津がどフリー! だがヘディングシュートはうまく枠を捉えられない。
 前半の唯一のピンチは38分、CB鈴木の横パスを拾われ、CFスメルツが抜け出しかけたところを、CM山口がファールで止める。イエローカード。マクグリンキーが蹴ったFKはGK権田が横っ飛びナイスセーブで弾き出す。43分には永井のクロスを東が落とし、清武がミドルシュート。だがこれもジャストミートできず、枠の外へ。結局、前半は攻め続けるもののゴールは生まれず。スコアレスで前半を終えた。
 後半には行っても同じ調子。気合十分で臨んだ開始1分、永井がドリブルで切れ込んでのシュートはうまくGKをかわしたが、ポストに弾かれる。こぼれ球を清武がシュートするも、枠を外す。3分、左SB徳永がドリブルで中に切れ込みシュート。DFにブロックされるが、ようやくオーバーエイジ枠の徳永もチームに連動して攻撃参加を見せ始める。5分、徳永を起点に清武のスルーパス、大津が抜け出すが、シュートはGKグリーソンがセーブ。6分、清武のCKにCB山村がヘディングシュート。これもGKグリーソンがファインセーブでクリアする。
 10分には扇原の縦パスから東がポストになって大津がシュート。これも決まらない。11分、東を下げてCF杉本を投入。東の位置には大津を下げる。さらに18分には山口に代えて村松、25分永井を下げてバックアップメンバーの山崎を投入する。この時間帯、メンバーが入れ替わったこともあってか、ミスが多い。
 先制はようやく26分、DFのクリアボールを拾った徳永が中に持ち出してのミドルシュート。GKグリーソンが横っ飛び弾いたところに杉本が詰めてシュート。ようやく日本が先制点をねじ込んだ。31分には扇原に代えてこれもバックアップメンバーの米本を投入。この辺りはケガを恐れたのと、バックアップメンバーもメンバーの一員というメッセージか。
 33分、清武のスルーパスに大津が抜け出したところを強烈タックル。FKは清武が蹴ったが、枠を外した。37分、ようやく清武を斎藤に交代。清武は回りを使うプレーはよかったが、シュート精度は今一つ。香川にはそこがまだ及ばない。小さくも大きい断絶。
 ロスタイムに入って2分、斎藤がスルスルとドリブルからシュート。彼らしさを見せつける。東の代わりは斎藤でもいい。大津、宇佐美らとローテーションして起用するのか。このまま守り切るとばかり思っていたら、ロスタイムも残り30秒。後方のパス回しを村松が突っかけられ、MFバルバロウセスがボールを奪ってフリーのルーカスへ。きれいにゴールを決められ土壇場で同点に追いつかれた。1-1の引分け。
 後味の悪いゲームで課題噴出。五輪本番でここまで一方的に主導権を握られるゲームも少ないだろう。その点では守備の不安解消は吉田が復帰する次のベラルーシ戦までお預け。攻撃の連携も次までにもう少し作っていってほしい。壮行試合で勝てなかったことは残念だけど、まだ発展途上。オーバーエイジも入れてこれから再整備。本番に向けて最後の調整に期待したい。