とんま天狗は雲の上

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UEFAヨーロッパリーグ グループF第1節 フランクフルト対アーセナル

 今季、フランクフルトに加入した鎌田がリーグ開幕戦からトップ下に定着し、出場を重ねている。DAZNで中継していないのでこれまでなかなか見られなかったが、EL初戦アーセナルとのゲームはDAZNで放送。今季初めてフランクフルトのゲームを観戦した。フランクフルトは昨季、準決勝まで勝ち上がった。PK戦チェルシーに勝利していれば、決勝戦で顔を合わせていたかもしれない対戦だ。

 フランクフルトはブンデスリーガではここまで2勝2敗の9位。昨季活躍したレビッチとヨビッチが移籍して、代わりにアンドレ・シウバとドストの2トップ。鎌田がトップ下に入り、中盤はソウとコール。右WBにダコスタ、左WBにはコシティッチが入り、CBは右からアブラハム、長谷部、ヒンターエッガー。GKはトラップ。長谷部がリベロのポジションでチームをリードする。対するアーセナルの布陣は4-3-3。オバメヤンをワントップに、右WGスミス・ロウと左WGサカ。19歳・18歳の若い選手が先発した。中盤はジャカをアンカーに、右IHトレイラ、左IHウィロック。DFは右から右SBチャンバース、CBムスタフィ、CBダビド・ルイス、左SBコラシナツ。GKも今季初先発のマルティネスとリーグ戦からはメンバーをやや落としてきた。

 序盤からホームのフランクフルトが積極的に攻めていく。4分、左WBコスティッチのドリブルからクロスをOH鎌田が受けようとして、こぼしたボールをCHソウがミドルシュートアーセナルも5分、左SBコラシナツのパスに走り込んだ左WGサカのクロスに、右IHトレイラがミドルシュートを放つ。しかしその後はフランクフルトのペース。11分にはFWアンドレ・シウバがミドルシュート。18分にも左WBコスティッチがFWアンドレ・シウバとのワンツーで抜け出してシュート。サイドネットに外す。

 さらに19分、OH鎌田の縦パスからFWアンドレ・シウバがミドルシュート。21分にはCB長谷部の縦パスをOH鎌田が受けて左に展開。左WBコスティッチのクロスにFWドストがシュートを放つ。鎌田は常に相手選手の間にポジショニングしてボールを要求する。まるでドルトムントでプレーしていた時の香川みたいだ。アーセナルも23分、右WGロウから左IHウィロックとつないで、CFオバメヤンがミドルシュートを放つ。わずかにポストの右。しかしフランクフルトもその直後、CHコールのパスに左WBコスティッチが抜け出してシュート。GKマルティネスのファインセーブで止められた。

 25分、右WBダコスタのクロスにOH鎌田がダイレクトでシュート。だがこれはGKマルティネスの正面。29分にはOH鎌田のCKからCBヒンターエッガーがシュートを放つが、このこぼれ球からアーセナルがカウンター。CFオバメヤンのクロスに左IHウィロックがシュート。さらに32分にはCHソウからCHジャカがボールを奪い、縦パスに抜け出した右WGスミス・ロウがシュート。GKトラップがファインセーブした。37分、OH鎌田のCKにFWドストのヘディングシュートはポストの右へ。

 そして38分、フランクフルトが攻め上がり、左WBコスティッチがクロスを入れる。これを左SBコラシナツがクリア。左WGサカが右CBアブラハムをかわすと、左IHウィロックがドリブル。CB長谷部をかわしてミドルシュートを放つと、CBアブラハムに当たってゴールに突き刺さった。ここまでシュート数も少ないアーセナルだったが、FW陣の速さを生かしたカウンター攻撃で先制点を挙げた。フランクフルトも45分、CHコールの縦パスからFWアンドレ・シウバがシュートを放つが、これもGKマルティネスがナイスセーブ。前半はアーセナルの1点リードで折り返した。

 後半もフランクフルトが攻めていく。4分にはCHコールのスルーパスからFWアンドレ・シウバがシュート。アーセナルはカウンター。6分には左IHウィロックのドリブルからCFオバメヤンがシュートを放つが、CBヒンターエッガーがブロックする。9分、左WBコスティッチのミドルシュートはGKマルティネスの正面。14分、左WBコスティッチのクロスにFWアンドレ・シウバがシュートを放つが、これも枠を捉えられない。アーセナルも11分、CHジャカのFKが直接バーを叩いたが、決定機はつかめない。

 すると15分、アーセナルは右WGスミス・ロウに代えてペペを投入する。フランクフルトは21分、FWドストに代えてパシエンシア。23分、CHコールから左に流して、左WBコスティッチがミドルシュート。24分にはCHソウのサイドチェンジから右WBダコスタがクロス。FWパスエンシアがシュートを放つが、GKマルティネスがセーブする。27分、アーセナルは左IHウィロックに代えてセバージェス。フランクフルトも29分、右WBダコスタに代えてチャンドラーを投入する。

 その後も攻めるフランクフルト。しかし次第にオープンな展開。アーセナルも逆襲する。そして34分、左WGサカのドリブルを後ろから追いかけたCHコールが倒したとして2枚目のイエローカードを提示される。レッドカードで退場。ビデオで見る限り触っているようには見えなかったが、イタリア人の主審はフランクフルトに対して厳しい。その直後にはOH鎌田もイエローカードをもらう。一人少なくなったフランクフルトは鎌田をCHに下げて、3-4-2にする。アーセナルは36分、左SBコラシナツに代えてメイトランド・ナイルズを投入。

 38分、アーセナルは左サイドからCHジャカが大きくサイドチェンジ。右CBチャンバースが駆け上がって、クロスにCFオバメヤンがシュート。わずかにポストの左。そして40分、カウンターでCHジャカがドリブルで持ち上がると、左に流してWGペペのパスにWGサカがミドルシュート。これがネットに突き刺さり、アーセナルが勝ち越し点を挙げた。CB長谷部の寄せが少し甘かった。さらに42分、右IHトレイラの寄せに何とかキープしたCB長谷部だったが、CBアブラハムとうまく呼吸が合わず、処理がもたついたところを左WGサカに奪われて、最後はCFオバメヤンがシュート。決定的な3点目を献上した。あとはアーセナルがパスを回して時間を使う。そしてタイムアップ。EL初戦はアーセナルが3-0で勝利した。

 ゲームは終始フランクフルトが攻めていたが、ゴールが遠かった。左WBコスティッチからの攻撃が目立ったが、OH鎌田は無理せず、うまくゲームを回していた感じ。でも決定的なチャンスを作ることはできなかった。一方、CB長谷部は最終ラインから鋭い縦パスを入れたり、積極的に前に出てプレスをかけたりと、まさにフランクフルトのチームを支えている。しかし長谷部が飛び出した後の守りやアーセナルの速いFW陣への対応などでは軽さも目立つ。フランクフルトの戦術自体が攻撃的なだけに、鎌田ら攻撃陣がゴールを量産しはじめると強いはず。鎌田がもっと積極的に攻撃をリードする姿を見てみたい。