とんま天狗は雲の上

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ブンデスリーガ第31節 ヘルタ・ベルリンvs.フランクフルト

 ブンデスリーガもこのゲームを入れて残り4節。既に第32節はミッドウィークに開催され、バイエルン・ミュンヘンブレーメン戦で勝利し、リーガ8連覇を決めた。でもまずは、鎌田が3人抜きドリブルを見せたこのゲームから観戦。ヘルタ・ベルリンは9位。EL圏内を狙うには絶対に勝利が必要なところ。前節はドルトムントに敗戦したが、中断中にラッバディア監督に交代して以降は3戦1分と好調だ。一方、フランクフルトも長谷部を3バックの中央に起用し始めてからは2勝1敗1分。前節のマインツ戦には大迫のブレーメンを助けるためにも勝ってほしかったが、このゲームに勝てば残留が決定する可能性もある。

 ヘルタの布陣は4-1-3-2。イビシェビッチとピョンテクの2トップの下にダイヤモンド型で中盤を置く。トップ下にダリダ、右SHグルイッチ、左SHマイアー。アンカーにシェルブレッド。DFは右SBペカリーク、左SBにプラッテンハルト。CBにはボヤタとトルナリガが並び、GKはヤーシュテイン。対するフランクフルトは3-5-2の布陣。FWはドストの下に鎌田が入り、コーデが出場停止の中盤は、アンカーにトロが入り、右IHにコーア、左IHソウ。WBは右にダコスタ、左はコスティッで、CBは右からアブラハム、長谷部、ヌディカが並ぶ。ヒンターエッガーはベンチスタートだ。

 序盤、ヘルタのプレスが早い。初シュートはフランクフルトが、左WBコスティッチのクロスに右WBダコスタがヘディングで狙うが、GKヤーシュテインがナイスキャッチした。しかしその後もゲームはヘルタ・ペースで進む。なかなか攻撃がつながっていかない状況に、CB長谷部が積極的に前に出て、攻撃を作ろうとする。17分にはヘルタの右SBペカリークのパスをCB長谷部がカットして、そのまま前に進んでFW鎌田にパス。鎌田から左サイドに絶妙なスルーパスを送ると、左WBコスティッチがクロスを入れた。FW鎌田は23分にもFWドストの落としからゴール前にスルーパス。左IHソウが抜け出すが、GKヤーシュテインがクリアする。

 少しずつペースを取り戻そうとするフランクフルトだったが、24分、SHマイアーのクロスにFWイビシェビッチがシュート。GKトラップのセーブを拾ったCB長谷部が縦パスを入れるが、これをCHシェルブレッドがカット。すぐにシェルブレッドに寄せたCB長谷部だったが、こぼれ球がFWピョンテクにこぼれる。さらに寄せるCB長谷部。だが強引に突破を図ったFWピョンテクが抜け出してシュート。ヘルタ・ベルリンが先制点を挙げた。CB長谷部のパスミスから始まった攻撃で、何とか長谷部もヘルタの攻撃を止めようとアタックしたが、結局、止めきれず。残念な失点だった。

 だが34分、ヘルタはCHシェルブレッドが足を痛めて、若い18歳サマルジッチを投入する。グルイッチをアンカーに下げて、ダリダが右SH。サマルジッチがトップ下の布陣。だがその後、フランクフルトが攻勢を強める。41分、FW鎌田からFWドストへの縦パスはDFがブロックするが、こぼれ球を左WBコスティッチがシュート。42分、右CBアブラハムからのクロスをFW鎌田がワンタッチで左サイドに流し、左WBコスティッチの縦パスにFW鎌田が走り込みシュート。これはGKヤーシュテインがブロックした。そして44分、左IHソウのパスからFW鎌田がスルーパス。FWドストが抜け出すと、PA手前で後ろから追いかけたCBボヤタの足が当たって、PA内で倒れ込む。ボヤタは2枚目のイエローで退場。またいったんはPKの判定が出たが、VAR確認後にFKに変更。これを左WBコスティッチが狙ったが、ミドルシュートは枠を外した。前半を終えて、ホームのヘルタが1点をリード。しかし前半のうちに退場者を出し、後半はフランクフルトが一人多い状況で戦うこととなった。

 ヘルタは後半最初からFWイビシェビッチを下げて、CBシュタルクを投入。4-4-1の布陣とし、サマルジッチを左SH、マイアーをグルイッチと並べてダブルボランチの形にする。一方、フランクフルトもアンカーのトロに代えてFWアンドレ・シウバを投入。コーアとソウのダブルボランチに鎌田がトップ下に入る3-4-1-2の布陣に変更する。すると6分、右WBダコスタのクロスをFWアンドレ・シウバがヘディング。これにFWドストが反応してシュート。後半早々に同点に追い付いた。

 その後はフランクフルトが攻勢。ヘルタは10分、前半に投入した左SHサマルジッチを下げてエスバインを投入。さらにCHマイアーに代えてクリュンダ。守備を厚くする。しかしフランクフルトの勢いは止まらない。17分、CB長谷部がドリブルで持ち上がると、大きく左に展開。左WBコスティッチが受けて、上がってきた左CBヌディカとのパス交換から中へパスを送ると。OH鎌田がPA内でスルスルと3人を抜くドリブル。ライン際まで切れ込んで中へパスを送ると、FWアンドレ・シウバがヒールシュート。フランクフルトが逆転ゴールを挙げた。鎌田のドリブルがすばらしい。

 23分にはOH鎌田がCHグルイッチに倒されて得たFKを鎌田が流して左WBコスティッチがシュート。こぼれ球を拾ったOH鎌田が再び仕掛ける。これはいったん奪われたが、CHコーアが奪い返し、仕掛けたこぼれ球を右WBダコスタがクロス。左CBヌディカが強烈なミドルシュートをネットに突き刺した。フランクフルトが3点目。その後、フランクフルトはFWドストに代えてデグスマン。さらにCHコーアに代えてイルザンカーを投入する。そして41分、CHイルザンカーのスルーパスにFWアンドレ・シウバが抜け出してシュート。ダメ押しの4点目を挙げた。そしてタイムアップ。4-1。ヘルタが一人少なくなったこともあったが、フランクフルトの見事な逆転勝利だった。

 鎌田は30分にデグスマンが交代出場して、再びFWになって以降は、消えていることが多かったが、最後までプレー。それにしても、あのドリブルはキレキレですごかった。一方、長谷部も積極的に前に出るプレーでフランクフルトのゲームプランを攻守にわたって牽引。序盤こそヘルタのプレスもあって危ない場面もあったが、一人多くなった後半は安定したプレーを披露した。これで順位も10位に上がり、残留が決定した。今日未明に行われたシャルケ戦にも勝利して、さらに9位に上がっている。EL圏内まではやや厳しいかもしれないが、少しでも順位を上げて、8月には再開されるであろうELにつなげてほしい。