とんま天狗は雲の上

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睡眠薬は麻薬と一緒

 妻の退院から1週間後、最初にクモ膜下出血で救急搬送され、手術を受けた病院の脳神経外科を受診した。MRI検査による診断は翌週になったが、投薬について色々と話を伺った。退院時に、リハビリ病院から2週間分の薬が出ているが、主には糖尿病や高血圧等に関する薬と睡眠薬だ。このうち、糖尿病等の薬については、「自分は専門外だから、別の内科を受診して、その管理の下で薬をもらってほしい」と言われた。

 そして、睡眠薬について。リハビリ病院からは「ベルソラム15mg」が一錠処方され、加えて、眠れない時の頓服として「ゾルピデム酒石酸塩錠10mg」をもらっていた。退院初日には「ベルソラム」だけで寝ようと努力したが眠れず、結局「ゾルピデム」を服用した。その後も「病院ではみんな両方の薬を欲しがり、飲んではコロッと寝ていた」と言っては、「ゾルピデム」を服用していた。

 だが、今回、脳神経外科の医師から「うちでは睡眠薬は出しません。睡眠薬はいずれも毒です」とはっきり言われた。睡眠薬のほとんどはベンゼン環が中心となった成分が含まれており、それがシンナーと同様の役割を果たすため、依存性があり、痴呆などの症状を引き起こすことになる。「日中イライラするんです」と妻が言うと「それが依存症です」。「でも、眠れないんです」と言うと、「人間、1日や2日眠れなくても、3日目には嫌でも眠るから、大丈夫」と主治医。「主人と同じことを言う」と妻。そして、主治医はきっぱりとこう言った。「投薬し体調管理をするのは内科などの別の診療科の医師であって、私は手術をする医師です」。なるほど。

 妻の場合、リハビリ病院で入院中に意識状態が低下し、治療病院へ再入院したが、それも実は睡眠薬のせいではなかったか。そして、リハビリ病院では多くの入所者が睡眠薬の処方を求めていたと言う。妻と同時期に退院した高齢者の多くは、そのまま老人ホーム等の施設に移る人も多かった。長期入院をする場合、睡眠薬を長期に渡って服用し、その結果、依存症となり、痴呆も進み、施設へ送られ、そしてそのまま死んでいく。ひょっとして、日本の医療には、そんな形で死へ至るコースがあるのではないか。

 ちなみに、その夜から「ゾルピデム」は服用していない。当日の夜はかなり抵抗したが、何とか11時半には眠ると、その後は次第に早く眠れるようになってきた。だが、日中のイライラ感は収まらない。睡眠薬からの離脱症状なのか、それとも高次脳機能障害のせいか、わからないが、早く元に戻るといい。メンタルクリニックを受診した方がいいのだろうか。