とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第1節 川崎フロンターレvs.FC東京

 北京五輪もいよいよ佳境という中、今年のJリーグが始まった。開幕戦はフロンターレFC東京多摩川クラシコだ。先週の富士フィルムスーパーカップではレッズに0-2と敗戦し、今季最初のタイトルを逃したフロンターレだが、開幕戦はそのゲームの後半を戦ったメンバーが先発した。レアンドロ・ダミアンをトップに、右WG家長、左WGマルシーニョ。大島をアンカーに、右IH脇坂、左IHチャナティップ。DFは右SB山根、左SB登里。車屋と谷口のCBにGKはチョンソンリョン。スーパーカップと同様、橘田、ジェジエウに加え、シミッチもベンチに入っていない。

 対するFC東京も布陣は同じ4-3-3。ディエゴ・オリヴェイラをトップに、右WGレアンドロ、左WGに永井。中盤は青木をアンカーに、右IHに高卒ルーキーの松木玖生、左IHに安部。DFは右SBに渡邊凌磨、左SB小川諒也。CBはグランパスから加入の木本に、トリニータから移籍のエンリケトレヴィザン。GKはヤクブ・スウォビィク。後方3人を移籍選手が務める。今季、アルベル監督に代わり、さっそく松木を先発で起用するなど、サッカーが代わる予感。ちなみに、森重、東、高萩、アダイウトンはベンチにも入っていない。

 4分、右IH脇坂のFKは壁に当たる。6分には左IHチャナティップのスルーパスに左WGマルシーニョが走り込み、CFレアンドロ・ダミアンにクロス。だが手前でCBトレヴィザンがカットする。序盤、FC東京が高い位置からのプレスをかけていくが、フロンターレがうまくかわして攻めていく。11分にはCB車屋からの縦パスに左WGマルシーニョが抜け出して、再びクロス。DFブロックのこぼれ球を右WG家長がシュートするが、これもCBトレヴィザンがブロックする。17分、CFレアンドロ・ダミアンのフリックに左WGマルシーニョが抜け出して、中へのパスを右IH脇坂がシュート。18分、右IH脇坂の縦パスを右SB山根が落とし、脇坂が左に回して、左WGマルシーニョがシュート。19分にも左WGマルシーニョがシュートするが、GKスウォビィクがファインセーブ。ポストに弾かれた。

 序盤は守勢に回ったFC東京だったが、ようやく24分、左WG永井が右IH松木とのワンツーで抜け出し、右に流して、右WGレアンドロがシュート。GKチョンソンリョンがナイスセーブすると、28分にも左WG永井が左サイドをドリブルで抜け出し、クロスをCFディエゴ・オリヴェイラが収めて、落としを右IH松木ミドルシュート。だがこれもGKチョンソンリョンがナイスセーブで弾き出す。

 その後、両者の積極的な攻防が続く。36分、右WGレアンドロミドルシュートはポストの右。38分、CBトレヴィザンが持ち上がり、ミドルシュートを放つも、GKチョンソンリョンがナイスセーブ。43分には左SB小川の縦パスを右IH松木が落とし、CFディエゴ・オリヴェイラミドルシュート。しかしこれもGKチョンソンリョンがファインセーブで弾き出す。前半はスコアレスで折り返した。

 開幕戦にふさわしい好ゲーム。後半もFC東京が積極的に攻めていく。6分、右SB渡邊のフィードに右WGレアンドロが抜け出して、GKと一対一。だがシュートはまたもGKチョンソンリョンがストップする。11分、FC東京は右SB渡邊に代えて長友を投入。前半からたびたびチャンスを演出した左WGマルシーニョに対して、守備の手当て。そして15分、右WGレアンドロの仕掛けを左IHチャナティップPA手前で倒してFKを与える。レアンドロが蹴ったFKに左WG永井が合わせて、ヘディングシュートがネットを揺らすが、わずかにオフサイドだった。

 フロンターレも17分、チャナティップとマルシーニョを下げて、CH塚川と左WG知念を投入する。20分、右IH脇坂のFKはGKスウォビィクがキャッチ。その後も両者の見応えのある攻防が続く。27分、右IH松木がCH塚川に削られ、長くピッチに倒れ込むと、アルベル監督は右IH松木を三田に交代した。28分、右IH三田のCKにCBトレヴィザンがヘディングシュート。だがGKチョンソンリョンがキャッチする。

 後半、なかなか攻められないフロンターレは31分、脇坂を下げて、FWに遠野を投入。2トップにして、ボランチに塚川と大島を並べる4-4-2。いや、4-2-4という感じ。すると34分、セットプレーからCB谷口の落としをFW遠野が前に運んでシュート。GKスウォビィクがファインセーブ。35分、続くCKをFW遠野が蹴ると、CBトレヴィザンのマークを振り切って、FWレアンドロ・ダミアンがニアに走り込んで、ヘディングでフリック。これがゴールに吸い込まれる。ついにフロンターレが先制点を挙げた。

 42分、FC東京は永井に代えて、右WGに紺野。レアンドロを左WGに回す。フロンターレも43分、肩を痛めたCB車屋に代わり、山村を投入する。44分、代わったばかりの右WG紺野がカットインからミドルシュート。これが左ポストを叩く。アディショナルタイムは長い7分間。45+3分、右SB長友の縦パスを右サイドで受けたレアンドロがクロス。CBトレヴィザンと左SB小川が詰めるが、シュートは合わない。さらに45+4分、左IH安部から右サイドへ開き、レアンドロの戻しをCH青木がミドルシュート。だがGKチョンソンリョンがスーパーセーブで弾き出す。45+5分には右WG紺野のクロスをCFディエゴ・オリヴェイラが落として、左SB小川がシュート。DFブロックのこぼれ球をディエゴ・オリヴェイラがシュートするも、枠を外す。さらに45+7分、右WG紺野のクロスをGKチョンソンリョンがパンチングでクリア。はね返りをWGレアンドロがシュート。だがポストの右。そしてタイムアップ。1-0。昨年王者のフロンターレが熱戦を制して、開幕戦を勝利。3連覇に向けて、幸先のいい勝利を挙げた。

 いいゲームだった。FC東京はアルベル監督になって明らかにサッカーが変わった。カウンターだけでなく、高い位置からのプレスから人数をかけて攻め込んでいく。フロンターレは特に後半、劣勢に追い込まれたが、しかしそこから起死回生の先制ゴール。勝負強さはさすがだ。先週のスーパーカップではレッズの充実ぶりに目を見張ったが、開幕戦ではFC東京の力強さに驚いた。そしてもちろん、昨季2位のマリノスや3位ヴィッセルもさらに強化を進めているだろう。今年のJリーグは昨季以上に面白くなりそうだ。今日、これからキックオフされるその他のゲームも楽しみだ。