とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合 日本vs.タイ

 天皇杯決勝のない元旦はやはり寂しい。代表戦とはいっての相手はタイ。やはり天皇杯の方が面白い。とは思ったが、やはり観ずにはいられない。12月から石井正忠さんが監督に就任した。その縁もあってのマッチメイクか。プレミアリーグやラリーガなど、正月も関係なくゲームのある国もあるので、冨安や久保は招集できない。代わりに若い選手が多く選出された。彼らのプレーも楽しみだ。

 日本の布陣は4-2-3-1。細谷をワントップに、トップ下に初選出の伊藤涼太郎。SHは右に伊東純也、左は初選出の奥抜。ボランチは田中碧と佐野海舟。右SB毎熊に左SBは森下。町田と藤井のCBに、GKは鈴木彩艶。藤井も代表初選出だ。対するタイも同じく4-2-3-1。ティーラサックをトップに、バトムボンがトップ下。SHは右にジャルンサック、左にボディン。ビチャーとウィラテーブのダブルボランチに、右SBスパナン、左SBミケルソン。CBはドラーとクリッサダー。GKはパティワット。

 開始1分、タイがOHバトムボンのスルーパスに右SHジャルンサックが抜け出すが、かろうじて左SB森下が戻って対応した。しかしこれで日本に守備意識が芽生えたか、圧倒的に攻めていくという状況にはなっていかない。7分、CH佐野の縦パスを受けたOH伊藤がDFをかわしてミドルシュートを放つ。8分には右SH伊東のCKにCB町田がヘディングシュート。9分には右SH伊東がミドルシュート。さらに10分、右SH伊東の縦パスにCF細谷が走り込み、シュート。GKパティワットがセーブする。

 その後、タイが守備を固めると、日本はなかなか攻め込めなくなる。ようやく22分、中盤でCH田中がボールを奪うと、CF細谷が縦パスを収め、OH伊藤がシュート。だがバーを越える。25分、CH田中のクロスにCF細谷がヘディングシュート。30分、右SB毎熊のスルーパスに走り込んだ右SH伊東がDFをかわし、さらにGKもかわすが、シュートはDFにブロックされた。

 タイも37分、OHバトムボンがドリブルで箱に、ミドルシュート。これはGK鈴木がキャッチする。40分、右SH伊東のクロスからCF細谷がヘディングシュート。42分には右SH伊東のパスからCH田中がミドルシュートを放つが、GKパティワットがナイスセーブする。前半はこのままタイムアップ。スコアレスで折り返した。初選出の伊藤涼太郎と奥抜はボールを持ってもなかなか有効なパスやシュートまで行けない。伊東純也や田中はさすがのプレーを見せていたが、伊藤や奥抜が絡む場面は少なかった。

 すると後半頭、日本は伊藤と奥抜に代えて、OH堂安と左SH中村敬斗を投入する。一方、タイもウィアテーブ、ビチャー、ボディン、スパナンを下げて、左SBにティーラトン、左SHにスパチョーク、ダブルボランチはサーラットとビティワットの組み合わせに変える。ミケルトンガ右SBに回った。すると後半序盤はタイが攻め込む。2分、左SBティーラトンのCKのクリアをCHサーラットがシュート。さらにこぼれ球をCBクリッサダーがシュートする。

 しかし5分、タイのカウンターをCB藤井が止めると、その流れから、OH堂安がドリブル。右へ展開すると、右SH伊東のパスがDFに当たって、こぼれ球をCH田中がシュート。日本がようやく先制点を挙げた。直後の7分、タイは左SHスパチョークがドリブルで運び。右SHジャルンサックがミドルシュートを放つ。日本も8分、右SB毎熊のクロスに左SH中村がシュート。16分にはCH佐野の縦パスに右SB毎熊が走り込み、クロスに左SH中村がボレーシュート。右ポストを叩く。さらに22分には右SB毎熊がドリブルで上がり、中へのパスをOH堂安がシュート。GKパティワットがセーブした。

 すると23分、日本は伊東と森下を下げ、OH南野と左SB三浦颯太を投入する。三浦颯太って誰だ?と思ったけど、昨季、ヴァンフォーレで活躍した選手らしい。J2の選手も積極的に代表に召集するのが森保監督らしい。タイも25分、バトムボンを下げてレッズでプレーするエカニット・パンヤを投入する。そして27分、左SH中村のスルーパスにCH佐野が走り込みと、クロスをOH南野がシュート。これはGKパティワットが弾いたが、ゴール前に詰めていった左SH中村が押し込んだ。日本が追加点を挙げる。

 するとその後は完全に日本のペース。29分には右SH堂安のCKにCF細谷がニアでフリック。これがタイの選手の足に触って、そのままオウンゴール。日本が3点目。32分、タイはジャルンサックに代えて右SBサンティバープを投入。ミケルソンを右SHに上げる。日本も34分、毎熊と田中碧に代えて、右SB菅原、CH川村。そして37分、右SH堂安のスルーパスに右SB菅原が走り込み、クロスをCH川村がヘディングシュート。いったんはGKパティワットが止めたが、さらにCH川村がヘディングで押し込み、4点目。

 42分には左SB三浦のクロスにCH川村がシュート。45分にはOH南野がCBドラーからボールを奪い取ると、そのままドリブル。GKとの一対一からシュートを放つが、これはポスト左に外れたが、直後の45+1分、OH南野が右SH堂安とのワンツー、DFが触ってこぼれたところをそのままOH南野が拾ってシュート。日本が5点目を挙げる。そしてタイムアップ。5-0。終わってみれば、日本が圧勝し、今季新年最初のゲームを飾った。

 それにしても前半は苦戦した。いや後半も5分の先制点の後、追加点を挙げるまでには時間がかかった。もちろんタイがよく守っていたことは確かだが、前半はやはり攻撃に変化が少なかった。右SH伊東や左SB森下はそれなりに思い切ったプレーを見せていたが、初選出の伊藤や奥抜は動きが堅かった。もちろん彼らも一生懸命プレーしていたのは確かだが、単独突破が目立ち、硬直的で柔軟性に代えた。後半に入り、ようやくサイドチェンジなどのロングパスが増えて、タイの守備を崩すことにつながった。終了間際、やや辛そうな表情で観戦する伊藤涼太郎の表情がアップされたが、彼自身も自分まだまだ足りないところを実感したのではないか。アジア杯メンバーに佐野海舟や中村敬斗が選ばれる中、伊藤涼太郎や奥抜の名前はなかった。ちなみに森下の名前もなかったのは少し残念だが、新天地でのプレーを優先したということだろう。

 新年早々の代表戦。それなりに見るべきものはあった。それはきっと将来につながるものだろう。でもやっぱり元日には天皇杯が見たい。来年の日程はどうなるのだろうか。