とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

全国高校サッカー選手権 3回戦 名古屋vs.岡山学芸館

 このところ高校サッカーの愛知県代表は1回戦で敗戦することが多い。今年は初出場の名古屋高校。とても勝ち進めるとは思っていなかった。12月29日の1回戦は何気なくテレビをつけたら、日章学園に0-1で負けていた。案の定、今年もやはり1回戦負けかと思っていたら、前半のうちに同点に追い付き、後半は押し込まれる場面もあったが、しっかりした守備で守り抜いた。そこでテレビは切ったのだが、翌日の新聞を見るとPK戦で勝っていた。1回戦を勝ち上がるなんて久しぶりだ。

 2回戦の北海戦もテレビをつけたら0-0。でも前半終了間際にカウンターで先制点を挙げる。守りのチームかと思っていたら、前線3人のカウンターが鋭い。後半も2点を追加し、3-0で快勝した。守りはしっかりしている。そしてカウンターが鋭い。典型的な堅守速攻型のチームだが、これは意外にやれるかも。

 とは思ったが、3回戦の相手は前回優勝の岡山学芸館。さすがにこれは無理だろうと思いつつ、テレビをつけた時点で後半30分過ぎ。何と1点勝っている。これは番狂わせか。そのままテレビを見ていたが、後半終了間際に同点に追いつかれた。そしてPK戦。先行されるが、5人目で追い付き、そして7人目で決着。何と準々決勝進出だ。幸い録画はしていた。そこでその後、ゲームを最初から観戦を始めた。

 名古屋の布陣は3-4-3。仲井をトップに、小川と原がシャドー。中盤は田中と川瀬のダブルボランチに、右WB田邉圭祐、左WB月岡。CBは右から太田陸斗、井上、足立。GKは小林。一方、岡山学芸館は3-5-2。太田修次郎と香西の2年生2トップは長身で体格がいい。中盤は山河をアンカーに、右IH田邉望、左IH田口。WBは右に田村、左に木下。CBは右から平松、平野、道満。GKは平塚。前年優勝メンバーが5人残っている。

 開始2分、岡山学芸館は左WB木下のクロスをFW香西が落とし、左IH田口がミドルシュート。DFがブロックしたが、香西のポストが効いている。続く田邉のCKにCB平野がヘディングシュートする。6分には後方からのフィードに左WB木下がヘディングシュート。8分にも左WB木下の強烈なミドルシュートがゴールやや左上に飛んでいく。

 名古屋はようやく11分、CH川瀬がドリブルで運び、縦パスをCF仲井が落として、川瀬がミドルシュート。14分には左WB月岡がロングスローでゴール前まで放り込む。すると岡山学芸館も16分、右IH田邉望のロングスローからCH山河がミドルシュートを放つ。名古屋も18分、左WB月岡のロングスローからCH川瀬がミドルシュート。ロングスローの応酬だ。21分にはCF仲井がドリブルで運び、FW原が仕掛けて、落としをFW小川がシュート。やはり名古屋のカウンターは面白い。

 しかし24分、FW香西がロングシュートで直接ゴールを狙う。かろうじてGK小林が弾き出したが、その後は岡山学芸館が押し込んでいく。28分、右IH田邉望のCKにFW太田がボレーシュート。GK小林がナイスセーブ。41分には右IH田邉望の縦パスを受けたFW香西が胸トラップから反転ミドルシュートを放つ。枠は外したが、2年生ながら、香西の身体能力はすばらしい。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半頭、名古屋は田邉圭祐を下げて、右WB齋藤を投入する。5分、左WG月岡のロングスローから、DFにクリアをCH川瀬がミドルシュート。10分にはFW原がロングシュート。直接ゴールを狙う。その後も再三、月岡がロングスローを投げ込み、後半は名古屋が優勢に攻めていく。そして17分、左WB月岡のロングスローからCH田中がシュート。ついに岡山学芸館のゴールをこじ開ける。名古屋が先制点を挙げた。

 岡山学芸館は19分、香西を下げて、FW木村を投入。前線の組み合わせを変えて、攻撃の形を変える意図か。しかし左WB月岡のロングスローは続く。24分、月岡のロングスローからFW小川がシュート。一方、岡山学芸館も28分、FW太田が前線でボールをキープして落とすと、左WB木下のクロスにFW木村がヘディングシュート。31分には平松に代えて、右CB持永を投入する。すると豆乳直後の32分、その持永のロングスローから左WB木村がシュート。GK小林がナイスセーブで弾き出す。

 その後は岡山学芸館のペース。39分、左WB木下が田口の縦パスに抜け出し、深い切り返しでDFをかわしてシュート。だがポスト左に外れる。このままタイムアップかと思った40分、CH田邉望のFKをCH田口が落とすと、FW太田がシュート。これが決まった。土壇場で岡山学芸館が同点に追い付いた。その後は名古屋も攻め返したが、ゴールはならず。決着はPK戦に委ねられた。

 PK戦は先行の岡山学芸館が、田邉望、木下、田口と成功を重ねると、名古屋も原、月岡、太田陸斗とゴールを決める。岡山学芸館の4人目田村も成功。だが名古屋の4人目、今日ゴールを挙げたキャプテン田中のPKは左ポストにはね返されてしまう。名古屋が1点ビハインド。決めれば勝利という岡山学芸館5人目の太田修次郎だったが、GK小林が右に飛んで、見事セーブ。ポストに当たってはね返ったボールはゴール内には入らなかった。続く名古屋の5人目、足立も決めて、これで4-4。さらに岡山学芸館の木村、名古屋の齋藤と決めて、5-5。岡山学芸館の7人目は左CB道満。しかしこのキックもまたGK小林が弾き出す。名古屋の7人目、川瀬が決めて、これで6-5。名古屋がPK戦を制して、準々決勝進出を決めた。

 翌日の新聞によれば、名古屋はPK戦もしっかり練習してきたらしい。どの選手もしっかり強く蹴り込み、ゴールを揺すった。これで次の相手は市立舟橋。優勝5回の強豪で、先に行われた3回戦では、星稜相手に4-1と快勝している。名古屋にとっては負けても何も失うものはない。この勢いのまま思い切ったプレーを続けてほしい。明日の準々決勝が楽しみだ。