とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア杯 グループD第1戦 日本vs.ベトナム

 ベトナムFIFAランキングは94位。だがこのところその実力はメキメキと上がってきていることはよくわかっていた。しかも監督はあのトルシエ。とは言っても、今回、日本も最強メンバーを組んできた。第2戦のイラク戦は少し怖いが、楽勝で決勝トーナメントに進出できると思っていた。

 日本の布陣は4-2-3-1。細谷をワントップに置き、トップ下に南野。右SH伊東純也に、左SGには中村敬斗。守田と遠藤のダブルボランチに、SBは右に菅原、左に伊藤洋輝。谷口と板倉のCBにGKは鈴木彩艶。CF細谷は意外だったが、あとはここまで実績を残してきた選手ばかりだ。対するベトナムは5-4-1の布陣。トップにファム・トァン・ハイを置き、中盤は右に右SHドー・フン・ズン、左SHグエン・ディン・バク。ボランチにグエン・トゥアン・アインとグエン・タイ・ソンを並べ、WBは右にファム・スアン・マイン、左にボー・ミン・チョン。CBは右からグエン・タイン・ビン、ブイ・ホアン・ベト・アイン、ファン・トァン・タイ。GKはフィリップ・グエン。

 試合が始まると、思った以上にベトナムが高い位置からプレスをかけ、組織的にプレーする。技術力も高い。日本もなかなかシュートまで行けなかったが、11分、伊東純也のCKをCH遠藤が落とすと、右SB菅原がミドルシュート。DFブロックのこぼれ球をOH南野が押し込んで、日本が先制点を挙げる。ここまではやはり日本の大勝かと思っていた。しかし16分、今度はベトナムが右SHドー・フン・ズンのCKからニアに走り込んだ左SHグエン・ディン・バクのヘディングがフワッとファーに上がり、そのままゴールに吸い込まれた。ベトナムが同点に追い付いた。

 日本もすぐに反撃。23分にはCH守田の縦パスからOH南野が反転してシュートを放つが、わずかにポストの右。すると26分にはベトナムも左WBボー・ミン・チョンからの長いスルーパスにCFファム・トァン・ハイが走り込む。GK鈴木の飛び出しが早く、何とかクリアしたが、危ないシーンだった。と思っていたら、33分、今度は左サイド深い位置からのFKをCBファン・トァン・タイが蹴り込むと、ブイ・ホアン・ベト・アインのヘディングがゴールのファーに飛んでいく。GK鈴木が弾いたが、詰めたファム・トァン・ハイがシュート。ベトナムが勝ち越し点を挙げた。なんと日本が追いかける展開になる。

 攻める日本だが、ゴール前を固めるベトナムの守備をなかなか崩すことができない。40分には左SB伊藤洋輝がミドルシュート。そして44分、左SH中村が中盤でボールを奪い取ると、CH遠藤の縦パスを右SH伊東がワンタッチでつなぎ、CF細谷がシュート。だがGKフィリップ・グエンがブロックする。しかし直後の45分、CH守田からのパスをCH遠藤が縦に入れると、OH南野が受けて、DFの股を抜くシュート。日本が同点に追い付いた。

 さらに45+2分には、CB板倉がミドルシュート。45+4分には右SH伊東のスルーパスに右SB菅原が走り込み、戻しを右SH伊東がシュート。だがこれもGKフリップ・グエンがファインセーブする。同点での折り返しもやむを得ないと思ったその直後、左SH中村がDFに囲まれる中を仕掛けて、ミドルシュート。これがゴール右隅に突き刺さった。日本が1点をリードして前半を折り返した。

 後半頭、日本は今一つ周囲と合っていなかった細谷を下げて、CF上田を投入する。ベトナムもグエン・トゥアン・アインをCHレ・ファム・タイン・ロンに交代した。7分にはそのCHレ・ファム・タイン・ロンがミドルシュート。日本も攻めるが、守備を固めたベトナムをなかなか崩せない。そこで18分、中村を下げて、右SH堂安を投入。伊東純也を左SHに回す。するとその直後、左SH伊東純也が左SB伊藤洋輝とのワンツーで抜け出し、クロスのこぼれ球をCH守田がシュート。だが、GKフィリップ・グエンがナイスセーブする。

 ベトナムも19分、グエン・ディン・バクとボー・ミン・チョンに代えて、左SHグエン・バン・チュオンと左WBクアット・バン・カンを投入する。24分にはCB板倉の縦パスからOH南野がミドルシュートを放つも、GKフィリップ・グエンがキャッチする。32分、日本は菅原と守田に代えて、右SB毎熊とCH佐野を投入。1点リードのまま、守り切ろうという意図か? ベトナムも33分、ファム・スアン・マインを下げて、右WBチュオン・ティエン・アインを投入。日本が攻めるが、なかなか決定機は作れないまま、時間が過ぎていく。39分には南野に代えて、OH久保を投入した。すると40分、CH佐野の仕掛けからこぼれ球を拾ったCH遠藤が縦パスを入れると、右SH堂安が縦につないで、OH久保の落としをCF上田がシュート。ようやく日本がダメ押し点を挙げた。

 その後は44分に左SHグエン・バン・チュオンがミドルシュートを放つが、GK鈴木がキャッチ。そしてタイムアップ。一時ベトナムがリードして心配したが、終わってみれば、4-2。実力通りの勝利でアジア杯初戦を飾った。

 何と言っても前半終了間際の中村のミドルシュートが良かった。南野もピッチ全体をよく動くだけでなく、2ゴールも上げて、相変わらずの調子の良さを見せた。一方、細谷はもう少し経験がいるかもしれない。もっとも上田に代わってもチャンスが大して増えなかったので、ベトナムの守備が良かったと言えばその通りなのだとは思うが。次のイラクの初戦は今夜だが、たぶんインドネシアには勝つだろう。日本はたぶん先発メンバーをある程度代えてくるだろうが、気を抜かず、ゲームに臨んでほしい。次も快勝を期待しよう。