とんま天狗は雲の上

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皇后杯 準決勝 三菱重工浦和レッズレディースvs.サンフレッチェ広島レジーナ

 昨季はWEリーグとリーグ杯の2冠を達成したレッズレディース。ただし皇后杯は準々決勝で敗退。WEリーグはここまで2位に付ける。一方、今季リーグ杯を制したレジーナも昨年の皇后杯は準々決勝敗退。昨年は日テレベレーザが優勝した皇后杯だが、今年、ベレーザは準々決勝で敗退。準決勝のもう一組はレオネッサが勝ち上がった。決勝で対戦するのはどちらか。2年ぶりの皇后杯を目指すレッズ対リーグ杯との2冠を目指すレジーナ。両チームとも代表選手も多く、楽しみな対戦になった。

 レッズの布陣は4-2-3-1。島田をトップに、猶本がトップ下。清家と41歳安藤が左右にSHに入り、ボランチは柴田と角田。DFは右SB遠藤、左SB水谷に、CBは、高橋はなと長嶋。GKは池田。対するレジーナは3-5-3の布陣。高橋美夕紀をトップに、上野と瀧澤がシャドーに入る。WBは右に立花、左に中嶋淑乃。ボランチは柳瀬と渡邊が入り、CBは右から呉屋、左山、市瀬。GKは木稲。レジーナのベンチには、GK福元や近賀が控える。

 序盤、レッズが積極的に攻撃。7分、右SB遠藤のパスから右SH清家が切り返してシュート。8分、OH猶本がロングシュートを狙うと、9分にはCF島田がドリブルで持ち込み、ミドルシュートを放つ。レジーナもその直後、左WB中嶋がドリブルからシュートを放つ。しかしレッズの攻勢は変わらない。11分には右SH清家のクロスに左SH安藤がヘディングシュート。GK木稲がファインセーブで弾き出した。さらに続く猶本のCKにCF島田がシュート。GK木稲がキャッチするが、レッズが優勢に攻めていく。

 そして19分、OH猶本のCKをCB高橋はながヘディングシュート。ライン上に立っていた左SH安藤の足に触ってゴールに転がり込み、ゴールは安藤になったが、実質、高橋はなのゴールだ。しかしその安藤が直後、CH渡辺との接触で膝を痛め、24分、伊藤との交代を余儀なくされた。25分、その左SH伊藤がミドルシュート。26分にはCF島田のパスから右SH清家が反転してシュート。わずかにポスト右に外れた。

 その後はレジーナも多少は盛り返したが、なかなか攻めていけない。ようやく38分に、左FW瀧澤のCKからCB市瀬がフリック。DFに当たったこぼれ球を右FW上野がシュートを打つが、枠を捉えられなかった。そして42分、CB高橋はなのフィードのこぼれ球をOH猶本がうまく受けて、華麗なトラップからミドルシュート。きれいにゴール右上に飛び込んだ。レッズが追加点を挙げた。

 レジーナも何とか反撃。45+2分にはCH渡邊のフィードを左FW瀧澤が落とし、左WB中嶋がシュート。そして45+3分、左WB中嶋がドリブルでDF二人をかわすと、スルーパスに右WB立花が走り込みシュート。レジーナが何とか前半のうちに1点を返して、折り返すことになった。

 リードしているレッズは後半頭に、島田を下げて、CF塩越を投入する。しかしこの交代の故か、前半、島田で収まっていた前線にボールが収まらなくなり、レッズの攻撃が停滞。さらに9分には、OH猶本がやはり膝を打ち付けて、佐々木との交代を余儀なくされる。佐々木は左SBに入り、水谷が左SH。伊藤がトップ下に回った。しかし、これでますますレッズの攻撃は停滞。9分、右FW上野がミドルシュートを放つと、10分にはCF高橋美夕紀の落としから右WB立花がクロス。右FW上野がシュート。そして15分、左WB中嶋がCB市瀬とのパス交換から左サイドを駆け上がり、クロスを右WB立花がヘディングで折り返すと、左FW瀧澤がヘディングシュート。レジーナが同点に追い付いた。

 レッズは直後の16分、水谷に代えてCB石川を投入。長嶋を左SBに回し、佐々木を左SHに上げる。しかし同点に追い付いたレジーナのプレスが早くなり、積極的に攻め始める。22分、右FW上野から右に流して、右WB立花がシュート。25分には左WB中嶋の縦パスに左FW瀧澤が走り込み、クロスに右FW上野がヘディングシュート。だがこれもGK池田がキャッチする。その後もレジーナが攻めて、レッズが守る展開。42分には左FW瀧澤のクロスからこぼれ球をCB呉屋がシュート。レッズも終了間際の45+3分、CF塩越のCKから左SB長嶋がシュートを放つが、ポストの左。レジーナも45+6分、CH渡邊のCKからCH柳瀬がミドルシュート。しかしGK池田がセーブ。ゲームは延長戦に突入した。

 すると延長前半1分、レジーナは左FW瀧澤がドリブルで運ぶと、そのままシュート。GK池田のはね返しを右FW上野が落としと、右WB立花がシュート。これもDFがブロックすると、今度は左WB中嶋がシュート。レジーナが延長戦早々に勝ち越し点を挙げた。しかしすぐにレッズも反撃。5分、CF塩越のスルーパスに右SH清家が走り込みシュート。レジーナも8分、右FW上野のスルーパスにCF高橋美夕紀が抜け出してシュート。GK池田がセーブする。

 レッズは10分過ぎ位から高橋はなを前線に上げて、4-4-2の布陣を取る。塩越は右SHで、清家が高橋と並んで2トップ。伊藤を左SHに戻して、佐々木、長嶋がそれぞれ左SBと左CBに戻る。レジーナは前半12分、ようやく一人目の選手交代。上野を下げて、右FWに松本を投入する。しかし延長前半はここで終了。レッズは延長後半始めに、角田に代わり、FW菅澤を投入。清家と高橋はなで3トップを形成。柴田をアンカーに置く4-3-3か。塩越は右IHに下がった。

 4分、右IH塩越のクロスをFW菅澤が落とし、FW清家がシュート。レジーナは5分、瀧澤に代えて左FW大内を投入する。そして延長後半7分、右SB遠藤のクロスをFW清家がヘディングシュート。これがゴールに飛び込み、レッズが同点に追い付いた。レジーナも10分、左WB中嶋がドリブルで持ち上がり、カットインからミドルシュートを放つが、DFがブロック。結局、ゲームはこのまま3-3でタイムアップ。勝負はPK戦に持ち込まれた。

 PK戦はレッズが先行。菅澤、高橋はな、塩越と決めれば、レジーナも高橋美夕紀、立花が決める。しかしレジーナの3人目、CH柳瀬のPKはGK池田がストップ。さらにレッズの4人目にGK池田が立ち、決める。そしてレジーナの4人目、市瀬もストップ。PK戦は4-2でレッズが勝利し、2年ぶりの決勝進出を決めた。

 レッズは前半で安藤、後半には猶本が負傷交代し、後半頭には島田から塩越への謎の交代もあって、後半以降、攻撃が低迷したが、GK池田などの経験値がレジーナを勝って、勝利を拾ったという感じ。レジーナには残念な結果になったが、この悔しさはWEリーグ、そして来年の皇后杯などにつなげたい。いいゲームだった。さて、これで皇后杯の決勝はレオネッサ対レッズレディースとなった。女子サッカーも新しい選手が次々と登場している。来週も皇后杯を楽しみにしよう。