とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

読書

スッキリ中国論☆

「スジの日本、量の中国」という副題が付いている。その一言で全ては説明尽くされる。もちろん個人で差はあるが、これこそがそれぞれの社会のクセであり、行動原理である。私には中国へ行った経験も中国人の知り合いもいないから真偽の判断はできないが、筆…

知ってはいけない2

「知ってはいけない」ではもっぱら、現在のアメリカに対する日本の属国状態がなぜ現在まで続いているのか、その法的な経緯や現状が説明されていた。本書ではそうした法的状況に陥った原因として、岸首相が同意した「密約」の存在と、日本では「密約などない…

人口減少社会の未来学

内田樹が呼びかけ、人口減少社会の未来への寄稿を依頼した結果、集まった10の論文。冒頭のこの言葉をどれだけ信じればいいのかわからないが、けっこう多様な立場や思想からの論考が集まっている。筆者は、池田清彦、井上智洋、藻谷浩介、平川克美、ブレイデ…

カセットテープ少年時代

BS12で深夜に放送されていた「ザ・カセットテープ・ミュージック」に気付いたのは、昨年の7月。鈴鹿8耐に因んでの特番を午後8時半から放送しており、その面白さに病みつきになった。それ以降は午前2時からの放送を録画して観ていたが、10月からは午後9時のゴ…

日本史のミカタ

対談本はもともと苦手だ。それでも井上章一の名前に魅かれ、購入してしまった。しかし最初のうち、これをどう読めばいいのか、どう楽しめばいいのか、わからなかった。話題がポンポンと飛ぶ。突拍子もない仮説を語り、「ああ面白い」と二人で楽しんだ直後に…

知ってはいけない

『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』を読んだ後、本書まで読む必要はないと思っていた。それはある意味正しかったと今も思っているが、先日つい「知ってはいけない2」を買ってしまったので、まずは本書から読んでみることにした。本書はこ…

フットボール批評 issue23

特集1は「イノベーションを可能にするチーム作りの新常識」。特集2は「ピッチレベルで読み解く真の戦術論」。そして特集3が「社長をアップデートせよ Jリーグ新時代に求められるリーダー像」。 風間監督へのインタビュー記事「完成図を描かないチームの作り…

常識的で何か問題でも?

「あとがき」の冒頭に「最後の方の『政治の話』があまり面白くなかったといささかご不満だったのではないでしょうか」(P314)と書かれており、思わず首を肯いてしまった。それも偏に、安倍政権が代わらない故である。それは多くの国民が政治に対して徒労感・…

東欧サッカークロニクル☆

筆者の長束恭行氏は「フットボール批評」でも内実に詳しい東欧サッカー事情を寄稿している。長くクロアチアに住み、リトアニアで暮らす中で、東欧だけでなくヨーロッパの中小周辺国のサッカー実情について実に詳しく、わかりやすくレポートしている。 本書で…

はしっこで、馬といる☆

作者の河田さんは、東京で出版関係の仕事をしていて、ある日、与那国島でウマと出会い、カディという名の仔馬と巡り合い、与那国島でカディとともに暮らす生活を始めた。既に5年以上が経過。ウマを屈服させ従わせるのではなく、常に寄り添い、ともに暮らす中…

日本の大問題

日本には問題が山積している。荻上チキが「政治」「経済・福祉」「外交」「メディア」「治安」「教育」の6つにわたって、現代日本社会が抱える問題点を説明し、さらに具体的な改善方策を提案する。提案は全部で22項目挙げられているが、これがすべてでもなけ…

グローバリズム後の世界では何が起こるのか?

筆者は現役の在エディンバラ総領事。外務省入省後、エジプトやイタリア、スウェーデン、イランの大使館や、ニューヨーク、ヒューストンの領事館で勤務し、大使や総領事を務めてきた。現在の外務省の国際認識に最も近い意見と考えていいだろうか。もっとも「…

30センチの冒険

友人に「となり町戦争」を勧められて読んで以来、三崎亜紀は気にはなる作家の一人ではある。その後、「失われた町」を読み、「廃墟建築士」を読んだ。そしてそれ以来、読むのをやめた。正直、SF的な設定は面白いが、それ以上の深みを感じなかった。それでも…

穴あきエフの初恋祭り

昨年11月、多和田葉子の「献灯使」が「全米図書賞」を受賞したというニュースが流れていた。福島原発事故を受けて、今後の世界のあり方を描いた「献灯使」は海外での評価は高い。次にノーベル文学賞を受賞するのは多和田葉子ではないか、などと思いつつ、引…

おやすみ、東京

年末から年始にかけて、図書館ではいつもより貸出期間が長くなる。それでついつい数冊の本を借りたが、内容的に難しい本もあって、途中で挫折したもの、まだ悪戦苦闘中のものなどがある。その中にあって、これはきっとやさしく読めるだろうと期待して、後回…

カズオ・イシグロの視線

昨年はカズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞して大いに話題となった。本書はそんなカズオ・イシグロの全作品を素材に、イシグロ文学を多面的に研究した論文集である。7つの長編と1つの短編集について、各研究者からそれぞれの視点で分析し研究した論文が…

逆転した日本史

筆者の河合敦氏は日本史の元高校教師。和同開珎よりも古い無文銀銭。推古天皇の脇役に過ぎない聖徳太子。儒教の徳や仁で統治しようとした徳川家綱。幕末になって出版され有名になった「慶安の御触書」などなど、我々60歳を過ぎようとする高齢者を対象に、か…

2018年、私の読んだ本ベスト10

今年も多くの本を読んできた。都市・建築関係の専門書も入れると、全部で89冊。このブログで紹介したのは71冊。去年よりはかなり多い。今年からめぼしい本にはブログ掲載時に☆を付けることにした。それでベスト10の選定は多少はやりやすくなったが、やはり年…

幻夏

太田愛の第2作目。デビュー作「犯罪者」が企業犯罪を題材にしたものなら、この第2作目は冤罪をテーマにしている。(最初からネタバレなので注意!) 無罪の罪で服役した男。そして冤罪だったことが発表されたその日に、自らの子供の手によって死を迎えた。実…

国体論☆

○現代日本の入り込んだ奇怪な逼塞状態を分析・説明することのできる唯一の概念が、「国体」である。……1945年の敗戦に伴ってもたらされた社会改革によって、「国体」は表面的には廃絶されたにもかかわらず、実は再編されたかたちで生き残ったからである。……そ…

大化改新を考える

このところ歴史興味から本書を借りて読むことになった。「そもそも大化改新って何だっけ」というレベルだから、なかなか読み終えるのは難しかったのだが、大化改新詔の原文から読むというのはこれまでになく、筆者とともに、主文・副文を読み解いていくのは…

永遠のファシズム

本書は1998年に単行本として刊行されたものの文庫化。既に20年も前の出版ながら、今、ファシズムの危機に関する論評を文庫化するというのは、やはり現在の政治状況・国際状況に対する危機意識、警鐘を鳴らすという意図を出版社として持ったということだろう…

正義とは何か

ロールズの正義論を中心に、リベラリズム、リバタリアニズム、コミュタリアニズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズムの6つの視点から、正義論について考察する。正直、かなり難解で、途中で一旦投げ出したが、他書を読んだ後でもう一度読み…

サムライブルーの勝利と敗北☆

W杯ロシア大会では望外な結果を手に入れ、浮かれている日本。その後の森保ジャパンでもここまで4勝1分、無敗の成績で来年初頭のアジア杯に臨もうとしている。大迫をトップに、堂安・南野・中島が並ぶ攻撃的なセットはここまで高い破壊力を発揮してきた。しか…

犯罪者

「天上の葦」が面白かったので、筆者のデビュー作を読んでみた。文庫本で上下全960ページ以上。厚い。そして内容も分厚い。通り魔事件に見せかけた殺人事件から食品会社の工程段階における管理ミスからの病気の発生と隠蔽工作。大企業と政治家との繋がり。産…

ウソばっかり!

「竹内久美子」で検索すると「トンデモ本」と出てくる。なるほど確かにそんな気がする。多くの研究事例を引用しつつ、そこから自由に発展して、かなり強引に筆者の望むような結論に導いていく。全編、そんな内容の記述が並ぶ。さすがワニブックス。それにし…

土 地球最後のナゾ

土とは何ぞや? 地面にある岩や砂が風化してできたもの。でもそれだけでは正解ではない。本書によれば下記のように定義されている。 ○学会の定義する「土壌」とは、岩の分解したものと死んだ動植物が混ざったものを指す。この意味では、動植物の存在を確認で…

フットボール批評 issue22

○「この舞台は1000倍最悪だ。だから両足が震えてしまう。でもピッチでは違うよ。ずっと、あそこで過ごしてきたんだ」・・・プロアスリートもセルフブランディングに取り組む必要性が叫ばれるこの時代に、単なるフットボーラーでしかない男が報われたのだった…

異端の時代☆

筆者は神学者・宗教学者であって、宗教としての異端を論じている。しかしそれは同時に現代社会における危機を論じることでもある。現代はまさに異端の時代であり、正統が消失してしまった(しつつある)時代だからだ。 「みんな違ってみんないい」。そんな多…

政治の哲学

タイトルを見て、政治とは何かについて、考察する本だと思っていた。しかし冒頭の第1章で、政治の定義が披露されている。 ○[定義]政治とは、人びとを拘束するようなことがらを、決めることである。(P016) さらに、続く文章の中で、本書の目的が書かれている。…